終極、そして未来へ・・・

| 修正

・・・そう、救った、救ったのだ、我が人生に深く影響する二つの存在を。
不満と迄は言わないまでも、
「ここは居場所では無い」
と感じ続けていた彼らを「安住の地」へ救い上げる事が出来た。
辛かったはずだ。絶対に。
「耐える事は美徳である」と昔ながらの教えを貫いてきた彼ら。
もし私が少しばかりの勇気を持って行動しなければ、彼らはそのままで終わっていたのだ。
「自己満足」と、笑うなら笑うがいい。
私は嬉しかった。
私にもまだこんな事が出来るのだ・・・

しかし、まだ仕事は終わってはいない。
これから、彼らの将来の事を考えなければ。
私はおもむろに、店に備え付けの「醤油」を手に取り、さっと一筋、彼らに掛けた。
そして、何時もは「半ライス」に直接乗せる「激辛高菜」を、チャーシューの上に静かに、そして、たっぷしと乗せたのである・・・

「よし、終わった」

私は確信した。
私は全ての責任を果たした。
私は完成させたのである。
「ラーメン、激辛高菜チャーシュー丼定食 焼き海苔をそえて」
未だかつて、この店でこの様な偉業を成し遂げた人間が存在しただろうか。
嫌、誇ってはいけない。驕ってはいけない。
ただ私は少しばかり、薄々気付いていた歪みを直しただけなのだ。

私は約束しよう。
又明日からも、何事も無かったかの様に、何時も様に、何時もの時間に、何時ものボタンを押し続ける事を・・・

          終