続く・・・

| 修正

気が付けば、私は何時もの様に、何時もの時間に、何時ものボタンを押していた・・・


昨夜迄私は、同級生である大泉洋氏と共に、アラスカにオーロラを見に行っていた。
彼とは「いつか必ず」と約束していた夢が、漸く現実の物となった。
いやはや、なんとも素敵な、夢の様な旅であった・・・
キャンピングカーでアラスカを縦断。
オーロラを見る為だけに車を走らせる、過酷ながらも充実した日々・・・
大泉氏とは毎日、多少の喧嘩はしながらも、笑い合い、お互いを高め合いながら一つの目的に向かって、実りある旅を続けて行った。
しかしながら正直、現地での食事には些か閉口していた所があった。
旅も終盤になって来ると、私の脳裏には、あの香り、あの刺激、あの後味がウロウロとさ迷い始めていた・・・
成田空港で近い再会を約束し、大泉氏と別れた私は、迎えの車に飛び乗り、我が故郷迄の長く短い時間を眠ってやり過ごす事にした・・・


・・・目覚めれば布団の中。
水曜どうでしょう」のDVDがメニュー画面のまま付けっぱなしである・・・
「いい夢を有難う」
私は歯磨き、洗顔を終え、夢と現実の距離を縮める為に、愛車のペダルを漕ぎ始めた・・・


気が付けば、私は何時もの様に、何時もの時間に、何時ものボタンを押していた・・・
テーブル席では、二人のタクシードライバーが、味付け卵とメンマ、チャーシューで瓶ビールを汲み交わしている。
ドラ「昔はよ、夜勤明けでもよ、スポーツジムに行ってたもんだがよ」
イバー「ヘェ〜、大したもんだ」
ドラ「今はよ、どうにもよ」
イバー「まぁまぁ、年には勝てねえわな」


さて。

全てを切り離し、久しぶりの故郷での食事。
実は今日、私は新しいある計画を実行すべく、この店へやって来たのである・・・