『丸川敬之のQ』&『A』 その2

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丸川『“盟”って、何で“かみかけて”って読むんですか?』

A:多分当て読みです。座長の先取り日誌をご参照下さい。
・・・という丸投げな回答ではなく、ではまずしっかりとタイトルから観察しましょう。『盟三五大切』 う~ん・・・確かにこれを『かみかけてさんごたいせつ』とは読まないですよね、普通。
歌舞伎のタイトルは通常“外題(げだい)”とか“名題(なだい)”といいます。南北の代表作である『東海道四谷怪談』や『櫻姫東文章』など、外題は奇数文字で構成されていることが多い。これは偶数が“割れる”数だから、また四文字は“死文字”を連想させるからなどと言われています。その上に、当時の興行主や作者が粋を競って難しい当て字や当て読みをつけたものだから、歌舞伎の外題は凝ってて読みづらいんですね~。
と、ここでまたしても外題をジーッと観察すると、最後の三文字に『五大力』という文字が隠されていることに気づきます。はて、『五大力』とは?

五大力(ごだいりき)
(1)五大力菩薩の略
(2)五大力船の略
(3)江戸時代、主に婦人の手紙の封じ目または女の所持する三味線・簪・煙草入れなどの裏面などに「五大力」などと記した呪語。前者は宛てた人に封がとけずにつくまじない、後者は貞操その他立てた誓いのしるしとした。

以上、困ったときの広辞苑より。

ちなみに『盟』は“ちかい”を意味します。さて、この『五大力』は作品のなかにも登場します。芸者の小万がお客・源五兵衛への貞操を示すために腕に彫った刺青が『五大力』。で、まんまと彼から百両の御用金をせしめたあと、小万の夫・三五郎が彫り直して『三五大切』にしちゃう。大切な御用金を失ったうえに、女の愛も偽りと悟った源五兵衛の心中やいかに!?

この続きは舞台でご覧いただくとして、要するに『かみかけて=神仏に誓って』『三五大切=三五郎さんが大切ですよ』という意味のタイトルなんですね~。あとは前出の先取り日誌にあるように、元々の『略(かきなおして)三五大切』という外題を『盟三五大切』と書き換えたというわけ。

ちなみに花組芝居の秋公演は『ナイルのdokuro.gif死神』です。
無理やり七文字!!お気づきでしたか!?
『丸川敬之のQ』&『A』 次回題材未定!See you soon!
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