その七拾壱 チラシ…と云っても寿司じゃない

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その七拾壱

押入れの荷物をひっくり返してたら…演目ごとにファイルにとってある資料の中から、こんなん出て来た。

'95年、再演の「泉鏡花の夜叉ヶ池」のチラシ。

コレは、八代さんと植本さんが宣伝美術プランを手がけた、僕が知る花組芝居の歴史の中で迷わず一番(研修一作目の「櫻姫全傳曙草紙」も捨てがたいけど)だと答える珠玉の作品(あくまで個人的にですよ)。


それにしても、この'95年という年はいろんな意味でハードで転機だったかも。

誓さん演出の「ノスタルジア」に、盛岡で下宿・バイトしながら参加。地方だけど、同期のいない僕に演劇仲間が出来て、これが翌年の「山月記」につながる。

初の利賀フェス参加、「聖ひばり御殿」では儲け役でお客さんも増えたし、この頃から声の出し方が変わってきた。

子供のためのシェイクスピア1作目「ロミオ&ジュリエット」で演出助手を務め、憧れの演劇人の方々の芝居を間近に観て、勉強させてもらった。

そしてこの「泉鏡花の夜叉ヶ池」、みんなが大事にしてる作品で、当然特定のお客様からの風当たりも強く悩んだけど…木原さんからの一言で吹っ切れたし、歌にも自信がついた。

で、この後は、初の海外公演「天変斯止嵐后晴」の準備・稽古で大わらわ、と…。


あまりにどうでもいいコトまで覚えているので、よく高荷さんから「後ろ向きだよね」とバカにされたりするけど、「記憶力」には自信がある。


このチラシを何枚か、椿山荘のイベントでプレゼントしようと思う。

欲しい人がいるなら、そして喜んでくれる人がいるなら、この「すてられない性分」もマンザラじゃないんじゃないかな。