チラシ/あらすじ

 

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<あらすじ>
維新後、明治政府は国の西欧化を急速に進める指針を打ち出し、その象徴として明治16(1883)年、諸外国との社交場となる洋館・鹿鳴館が建てられた。
3年後の11月3日、天長節(天皇誕生日)。鹿鳴館では欧化政策の中枢を担う、影山悠敏伯爵主催による舞踏会が開かれることに。だが女主人であるはずの影山夫人・朝子は、元新橋芸妓の矜持からか和装を貫き、公の場にその美しい姿を現すこともなかった。
その日、朝子は友人である大徳寺侯爵夫人・季子から、彼女の娘・顕子が思いを寄せる相手について相談を持ち掛けられる。青年の名は清原久雄。反政府運動に関わる久雄は、舞踏会に乱入し影山伯爵の暗殺を企てているというのだ。
事を聞き愕然とする朝子。久雄こそ、芸妓時代に愛し合った反政府派の指導者・清原永之輔との間に生まれた息子だった。
密かに呼び寄せた久雄との再会、結び直される母と子の絆。心ほどけた久雄は、真の狙いが父・永之輔の殺害だと吐露する。
我が子とかつての恋人。朝子は腹心の女中頭・草乃の手を借り、女主人として舞踏会を取り仕切ることで身を挺して二人を救おうと図る。
だがその裏側では国を、政治を至上のものと仰ぐ影山伯爵が、子飼いの刺客・飛田天骨と共にさらなる陰謀を巡らせており……。