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左の腕に彫り込んだ、生けるが如き黒蜥蜴、
差す手引く手に這い出だす──。
有閑マダム「緑川夫人」の正体は、腕にトカゲの入れ墨を持つ女賊・黒蜥蜴。
ホテルに滞在中の富豪岩瀬に近づき、令嬢早苗を誘拐するが、
名探偵明智小五郎によって取り戻されてしまう。
ところが自宅に軟禁状態の早苗は、人間椅子のトリックによって再び黒蜥蜴の手に。
女賊は早苗と引き換えにダイヤモンド「エジプトの星」を要求する。
そんな黒蜥蜴の裏をかき、明智は変装して彼女を追跡、ついにアジトをつかんだ。
しかしそこには盗んだ宝石類と共に、
剥製化された美しい人間達のコレクションが陳列されていた
。