358 Papa don't preach

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358

毎朝母に電話しているが、彼女が「今は帰ってくるな」と言う意味がわかった。

瓦礫は少しずつ片付いてはいるけど、まだ捨てられない「思い出」がそこいら中に転がっていて、なかなか作業が進まない。

海の泥と腐った魚の異臭がして、風が吹けば粉塵が酷い。

皆、疲れている。
皆、途方に暮れている。

町も、人の気持ちも、3月11日以前にはもう戻れない。

今が地獄なのかも知れない。

今日は父の誕生日。
一度も一緒に祝った記憶がないが、今年だけは何かしてあげたかった。
そういえば、説教された記憶もほとんどない。

あんまり一緒に暮らしてないからなぁ。