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ハナオフ『相対的浮世絵』役者インタビュー:その参
山藤さんに聞く!
 役者インタビュー第三弾は、『PM/飛ぶ教室』で活躍中の山藤貴子さん。
 花組メンバーとは、もちろん初共演です。





Q.初共演者だらけの稽古場はいかがですか?

楽しいですよ〜。
一緒に芝居するのは初めてやけど、元々知ってる人ばっかりだからやりやすいですね。
え?女優と共演してても新鮮味ないって?
(↑高荷氏のインタビューより)
ひどいな〜(笑)
でも本当に昔からの付き合いの人たちなんで、リラックスして稽古してます。
稽古初日の本読みが始まるまでは緊張してたけど…。
前の日に変な夢見たもん(笑)
全く知らない土地で全く知らない人達の中で働いてるの。
きっと心のどっかにプレッシャーがあったのかな…。


Q.役柄について教えてください。

えーっと、高校生のときに事故で死んでしまった妹役(=岬亜希・みさきあき)です。
で、20年ぶりにお兄ちゃんに会いにくるんだけど、外見は成長してるっていう…。
彼女はお兄ちゃん大好きっ子なんで、ついつい甘えて(演技が)幼くなってしまう。
気をつけます!


Q.ではここで、高荷さんと北沢さんから質問です。


by.高荷
 僕の事、兄として愛してますか?

ははは。何それ(笑)?
あ、でも不思議なことに段々(高荷さんが)お兄ちゃんに見えてくるんですよ、稽古してると。
台詞とか言ってると『あ〜お兄ちゃんだ』って自然に思えてくる。
特にこの役はお兄ちゃん大好きな役でしょ?
いっつもお兄ちゃんの事心配してて。
はい、愛してます。
愛してますよ〜って言っといて下さい(笑)

by.北沢
 役者としての僕は、どうですか?

え?これもまた難しい質問(笑)
今回共演する人たちっていうのは、元々みんな知り合いばっかりやし、
一緒に芝居するのってもっと違和感あるかと思ったけど、そうでもない。
え〜『どうか?』って言われても…。
あ、尊敬してます、役者として(笑)


Q.台本については?

現代語は、いつもやってるから特に違和感はないです。
花組さんだとね、難しい言い回しとかあるけど、
うち(PM/飛ぶ教室)は基本的に現代語なんで。


Q.稽古場で流行ってる事とかありますか?

流行ってる事?
野村さん(野村裕子役=井上啓子さん)の真似(笑)
『大ショーック』のところ。(注意:舞台中盤の大事なシーン)
あそこは真面目な場面やのに、初め高荷さんが笑い始めて、
最近は洋さんもつられて笑ってしまうって。
あぁ、『大ショーック』が来るって思うだけで身構えてしまうみたい。
まぁ、稽古場でありがちですよね、人の真似して遊ぶとか。
今のところ、一番人気は野村さんです(笑)
きっと野村さんも背負ってる物がいろいろあるんだろうケドね、旦那さんのこととかで。


Q.お化け役は初めてですか?

亡くなった人が出てくる芝居って、うちは結構あるんですよ。
幽霊側になったのは…2回あるかな。
でもそのときは亡くなった時の年齢で出てきてるから。
それ以降の出来事とかは何も知らないの。
でも相手は年齢を重ねてる、みたいな。
逆に幽霊が出てきてびっくりする役のときもあったし、何かね、幽霊ものは一時期多かった。
でも年とったのは初めて。だからいろいろ考えるよね。
外見は変ってるけど、中身は高校生のままなのか?とか、
20年間会えないあいだは、現世の出来事は見えてたのか?とかね。
それによって変わってくるから。
台本上はそこにはあえて深く触れてないんだけれども、やる側としては、ねぇ。
亡くなってるチーム(桂・山藤・井上チーム)は
毎日(あの世で)つるんで遊んでたんやろうなって気はする。
生き残った人たちもそうやろうし。
この芝居、バカばっかりでてくるね(笑)


Q.本当に、珍しいタイプのお化け(?)ですね。

ね。
死んでしまって、長い間会えなかった人たちにあえて嬉しい気持ちもあるし、
でももう違う世界に住んでるっていうのもどっかにあるし。
その辺はまだ理解しきってないですね。
でもちゃんと自分の中で成立させないと(舞台に)立てないしね。
まだみんなそうだと思う。
お互い探り探りやってるから、稽古するたびに立ち位置がちがうの(笑)
いったん最後まで作ってても、初めからやると微妙に違ったりね。
ここでは相手の出方が予想できないから、面白い。
自分の劇団なら、この人やったらこうくるなとかわかるけど、
今回は一緒にやったことない人ばっかりやからね。
想像つかん、みたいな(笑)


Q.稽古期間は1ヶ月と長いですが。

贅沢ですね〜。この人数でみっちり1ヶ月っていうのは。
普段うち(の劇団)は昼間は働いてる人が多いから、夜だけ3、4時間の稽古とかだしね。
今回は稽古初日に台本も最後まで全部あるし、気持ちの整理は付けやすいかな。


Q.普段は演出したりはしないんですか?

…出来ない(笑)
PMの現場では、あぁした方がいい、とかって事はたまには言いますけど。
演出も『どう?』って聞いてくるしね。
でも絶対的に(役者)やるほうがいい。
演出家の、あの全体を見るパワーってすごいですよね。真似できません。


Q.今回の見所は?

翼の折れた人たち(高荷氏&北沢氏)がどういう芝居をするか。
あとは…みんなの学生服のシーンですかね(笑)
これはネタばれしていいのかな?
今知り合いに制服持ってないか聞いてまわってるんだけど、
「私が着るの!すいませんね」って謝ってから探してる(笑)
あのシーンは、やってて楽しいです。
ただ、高校生に戻る一瞬と、それ以外の場面でどう変えられるかが課題かな。
それと、全体的に暗くなりすぎないところ。
“死んだ妹と同級生が、20年ぶりに会いに来た”なんて、
暗そうな設定やけど、ぜんぜんそんな芝居じゃないもんね。
やっぱり明るい方がいいよ、芝居は。
とにかくみんなのバカさ加減を見ていただいて(笑)
観に来ていただいたお客さんに元気になっていただければなぁ、と思います。



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