ヒナの命[つぶやき]
(17/06/12 15:43) by kanou


先日の朝、事務所へ赴くと、入口横に目印のように立つ樫の根元に、灰色の物体が。ん?鳥?ヒナ?恐らくまだ飛べそうもない、ずんぐりとした体で立ちすくんでいる。おや、巣から落ちたか?

事務所番の鳴流屋が、早速巣箱らしき物を作り、根元に居たんだからと、件の樫の良き所に設置。ピーピーと抵抗を示すヒナを、フワリと中へ。その際、二親と思しき成鳥がギャーギャーと飛び交う。数時間後、様子や如何に?と周辺を行くと、再び道端にヒナが!?「落ちた!落ちた!」と騒いだが、さにあらず、先程のヒナよりは幾分しっかりした体付きの2羽目でした。さては巣ごとひっくり返されたのか?

ともかく、親鳥が来やすいようにと、鳴流屋が苦心の新しい巣箱に。後は、近くを通る際も、距離を置き、ソロリソロリと気遣う。

翌朝、ピーピーと鳴く近くを親鳥が飛び交っているので、先ずは安心と思っていたが、犬猫なら幾らか覚えがあるが、何せ、種目も判らない野鳥。静かになったな、と夕刻覗くと、悲しや、2羽共に、仰向けに硬くなっていた…。

最初に臨終を確認した鳴流屋の、「あ、ダメだ…」の声と表情が、何故か愛おしかった。

親鳥の鳴き声や形状から、どうやら都会でも良く見掛ける「ヒヨドリ」と判明。あのまま道端に放置したら、車に轢かれたろうな、1日だけ延命させたんだ、という納得だけが、実は空しく残る、梅雨前の出来事だった。


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