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ハナオフ『相対的浮世絵』役者インタビュー:その壱
高荷屋に聞く!
 少人数&小空間が特徴のハナオフ。せっかくなので、一人一人に語ってもらっちゃおう!企画を立ててみました。今週から本番前まで、出演者の方々にインタビュー形式で『相対的浮世絵』の魅力を語っていただきます。

 まずトップバッターは、花組出演は去年の『盟三五大切』以来久しぶりの高荷さん。稽古前のリラックス・ムードを突撃してみました。





Q.久しぶりの花組はいかがですか?

稽古場自体もあんまり馴染みがないんで、久しぶりに出てもあんまり懐かしくはないですね。
この間『眉隠しの霊』の稽古でここの稽古場使ったけどね。
桂とは・・・HON-YOMIで一緒だったのかなぁ?
あ、俺あんまり何の感慨もない。この質問良くないね(笑)


Q.稽古場は楽しいですか?

楽しいよ〜。今回同年代の人がいっぱいいるから。
役者で同じ年が3人いるんだよ。
(山藤)貴ちゃんと、洋と、俺。
クラス会というか、みんなでじゃれてます。


Q.役柄について教えて下さい。

え?これ何に載せるんだっけ?あ、稽古場日誌かぁ。
え〜っと、僕は岬智朗(みさきともお)って言う役です。
一応物語の中心って言うか、主人公になりますね。登場してる時間が一番長いです。
他に出演者が4人いるんですが、それに振り回されてオロオロする役です。
なので、お客さんは僕の心情になって観てくれれば物語に没入できると。
この芝居の出来生えは僕にかかってますね。
まぁ、成功したも同然でしょう(笑)


Q.設定的にはサラリーマン?

そうですね。40代のサラリーマンです。
花組では珍しい設定ですよね。もともと現代劇少ないし。
あと僕の場合、老け役というか、おばあちゃん役とかが多いんで、同年代は珍しいかな。
あとね、(芝居)やると老けるんですよ。必要ないのに(笑)
40代の設定でも50〜60歳ぐらいに作っちゃうんですよ。何でかね?
早く大人になりたいのかもしれない。
今回は高校のときの同級生の話なんですが、高校のときに事故で死んじゃった友達が
成人してから戻ってくるっていう、昨今多い、“幽霊もの”です。
『黄泉がえり』とかと一緒?
そういえば竹内結子は(映画とかドラマで)よく死ぬよね、あれ何故でしょうね。
2・3回生き返ってるんじゃないですか?あの人。


Q.高荷さんは幽霊とか見えるほうですか?

霊感はないです。怖いもの見たさはあるんであっちこっち出かけたりはしてるんだけど。
小さいときに『なんか足元がそわそわするなぁ』って思って起きたら、親父だったとかね(笑)
でも、ホラーじゃないお化けですね、今回は。


Q.お化け役やりたかったですか?

特にお化けってわけじゃなくてね、本を読んだ時点では別の役だと思ってました。
自分にすごく近い役があったんで、そっち(に配役される)かな、と。
自分でもやりたかったし。だからこのキャスティングはすごく意外でした。
演出水下がどのような計画を立てて配役したのか、今の時点ではまったくわかりません(笑)


Q.今の役はどうですか?

面白くないです。あ、言っちゃった。うそ(笑) うそです。とっても新鮮ですよ〜。
あと話が戻っちゃうけど、久しぶりに花組に来てどうこうっていうより、
役者じゃない“演出家・水下”を楽しみにしてます。とっても興味ある。
実は前のハナオフとか、外部の公演の演出もいくつか見てて散々ダメ出ししたんですけど(笑)
まぁ、今回はあえて中に入って体験してですね、
“水下演出以上に俺が輝く”って言うのが今回の俺のテーマ(笑)


Q.水下さんの演出の特徴は?

う〜ん。“自然に”という要求が沢山あってですね、それが特徴といえば特徴でしょうか。
特に今回はね、かなり年季の入った役者が
意識的に自然に、というか力を抜いて、というのがあるんで。
年齢を重ねた分(若い役者よりは)自分達にはオーラがあると思うんですよ。
それが力を抜いた状態でさっと舞台に立つだけで
どれだけそのオーラを出せるかっていうのが、自分でも興味があります。


Q.土田戯曲については?

普通に読んでるだけじゃ、物語が浮いてこない台本だよね。台詞が単調だから。
だから役者が自分で起伏をつけて読まなきゃいけないんだけれども、それを(演出家が)「やるな」と。
ただ力を抜いてやるから、脚本自体の魅力もストレートに出るんじゃないかな。
節回しで言う台詞が花組だと多かったからね。
でも(土田戯曲は)さらっと読むと引っかからない。難しいねぇ。


Q.稽古場に女優さんがいらっしゃるのは新鮮ですか?

そんなに新鮮味はないかなぁ。あ、でも暗くはならないよね、稽古の合間が。


Q.合間は何をやってるんですか?

よく歌ってる。“翼の折れた高荷”ってやつ(笑)
でもこれは洋の作詞なんで、洋のインタビューのときに聞いて下さい。
あいつと芝居でがっぷり組むのは実は初めてなんで、
今回コンビみたいな役柄なんだけど、俺はめちゃくちゃ楽しみなんだよ〜。
なによりあいつは声が高い。で、俺は低い(笑)
で、あいつはポジティブ系。で、俺がネガティブ系だから、かなり周りから見てても陰陽の関係が面白いと思うよ。


Q.他の共演者については?

桂とは以前『薄化粧』という芝居でそれこそ1時間半がっぷりやったんで、むしろコメントはないです。
単に桂が懐いてくるだけだから。
あいつ飲み会とかで、俺が他の共演者とばっかり話してると嫉妬するんだよ(笑)
今回妹役の貴ちゃんは、可愛いです。
あ、彼女にも聞いてください。『(俺のこと)兄として愛してるかどうか』って。
井上さん(の役)は、闖入者というか、僕が自分で配役されるかなって思ってた役。
花組でもそういう役多かったから。いわゆる“場を乱す”っていうか。
あ、俺ほとんど共演者にコメントないね。失礼だな〜。人に興味がないのかな?
(しばらく考えて)
おそらく自分勝手な芝居をしてるんだろうねー。でも楽しいよ。
台詞の捕らえ方とかに関してはまだ細かい指示をもらってないから、
とにかく今はキャラをいじるって言うのを飽きないように遊びながらやってるの。
そういう意味では俺すごく集中してる。
あ、俺集中してるんだ!(笑)
集中してるんだよ俺、ほかの人に興味がないんじゃなくて! ほら。


Q.上手くまとめましたね?

一言で言うと、集中してます。俺、生きてるなってカンジ?


Q.お客様に今回の“見所”についてお願いします。

まずこれだけの台詞を覚えたなっていうところを皆さんに評価していただきたい。
そこがポイントですね(笑)



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