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週刊蹴通
(2003/06)


[ 週間蹴通第233節  宮本がコンフェデでやらかしてしまったが、大局をみよ、ということ。   ] 06月24日(火)
コロンビア戦の失点は宮本にとって、一生忘れられない一点だろう。
痛恨のパスミス。引き分け以上であと2試合できる、貴重なチャンスを棒に振った。
このトラウマが選手生命に影響しないくらいにはふてぶてしい男だとは思うが、
授業料としては少々高くついたね。

やはりNZ、フランス戦と好調だったのは、俊輔の存在が大きかったと思う。
日本のウリである中盤で、あまりプレッシャーがなかったことが
デュアルヘッドの司令塔に好きなように仕事をさせた。

コロンビアは絶対勝たなければいけないというモチベーションと、
システム、サッカースタイルが日本に似ていたためか(4−4−2、ショートパスでつなぎ、中盤でのプレッシング)
日本にとってはやりづらかったかもしれない。
あとこの5日で3試合という強行日程が、全体の運動量・プレーの精度・集中力に影響していたのは無理もない。
相手も同じ条件だとはいえ、メンバーをこれだけ帯同しているのだから、
流れがいいからといって、結局メンバーを変えられないのは、層が薄い、つまりチームとしての総合力がないからだよな。
中村がケガしたのもそのせいだともいえる。

高原の運もなかった。
決定力がない、といえばそれまでだが、大久保が評価されてはいるが、
多くのチャンスをつくり、決定的なシュートにまでもちこめたこと、それとダイナミックなプレー、フィジカルの強さ、ポジショニング・・・、
すべてにおいて調子が万全でない高原のほうがすばらしかった。
大久保はテクニックも、時折見せるハートの強さも魅力的だが、高原から学ぶことは多かったと思う。

遠藤のボランチが定着しそうだが、小野とのコンビネーションも見てみたい。
小野がいたらなぁ・・・。

11人全部が大久保・小野・俊輔くらいのボールテクニックを持つ、
というのは決して夢じゃないよなぁ。
アジアのブラジルとか呼ばれちゃうよなぁ。



[ 週間蹴通第232節  パラグアイ戦でスコアレスドローではあるが・・・、 ] 06月12日(木)
アルゼンチン戦から先発9人入れ替えたメンバーで、
時差ぼけの抜けないパラグアイの若手相手・プレッシャーのほとんどないホームゲームで引き分けだったが、
いい試合だった。

トップ下のゲームメーカーが2人になったことで、相手は的が絞れなくなった。
それと同時にトップ2人のキープ力・ポジショニング・前線からのディフェンスがすばらしかった。
パラグアイ監督がいうように、高原・中田・中村の海外組のプレーが全体をひっぱったが、
その3人に大久保のプレーは遜色なかった。

あれだけうまかった中村が、この1年でどれだけ上手くなっているか。
大久保にはやはりすぐに海外に行ってほしい。

ジーコがケガをした福西以外に交代をさせなかったのは全面的に支持する。
もちろん代えてもいいし、
例えば右サイドの山田にかえて名良橋を入れればもしかして得点シーンが見られたかもしれないが、
流れがいい状況でむやみにメンバーを代えない姿勢と、
先発9人入れ替えというこの試合の意味を考えたとき、名良橋というカードは「なし」だ。
右サイドに石川っていうのは「あり」だったかも。
いや、むしろかなり見たかったかも。

コンフェデ追加召集に松井、明神。(鈴木・福西に代わる)
トゥーロンU-21大会でもアルゼンチンに負けた。(0−1)



[ 週間蹴通第231節  大久保コンフェデに追加招集のこと  ] 06月11日(水)
やはり大久保はA代表招集を受けた。思惑通り。
希望の光。

中山ゴンはケガによるコンディション不良だが、
ケガがなかったとしても、おれはアルゼンチン戦を見て、あえて言ってしまいたいのだ。
「おつかれさまでした」と!

ディフェンスうんぬんというが、ディフェンダーの出来自体はそんなに悪くなかった。
むしろ、FWに球が入ったときの落としや、前線からのプレスがまったく効かなかった。
FWが前線でキープorプレスをかけなければ、
DFは、あの個人技に秀でたFWに対して怖くて最終ラインは上げられない。

中山の持ち味はまさしくその前線からのプレスであったのに、
目立ったのはポストプレーのつもりの、「アルゼンチンへのパス」ばかりだった。
今年の中山のプレーは寂しい。
まだまだやれるし、若手に対して伝えることは多いだろうが、若手の成長を考えればこそ、
代表引退という選択肢は現実的だと思う。


[ 週間蹴通第230節  アルゼンチンにホームで4−1でチンチンにやられたこと ] 06月09日(月)
久しぶりにコテンパンにやられましたね。
そして、改めて技術の差を痛感。
思ったトコにボールを蹴る、思ったようにボールを止める、パススピード、
判断の早さ、シュート力、クロスボールの精度・・・。
ぜーんぶ負けてた。

東アジア選手権延期で強化スケジュールが狂ったとはいえ、
特に前半のディフェンスはひどかった。
新しい監督になったからって、プレスの基本からやらなくちゃいけないほどなのか?
4バックと新フォーメーションの3ボランチはディフェンシブな布陣なのに・・・。
大量失点したときのGKが、また楢崎だったというのが泣ける。
前回、フランスの雨のサンドニで5点取られたときの彼の顔を思い出してしまった。
でも今日の楢崎は悪くない。コーチングのミスはあったかもしれないけど。
後半も失点したが、福西・大久保・アレックスをいれたジーコの采配は正しい。
目的がはっきりしている采配は、監督の信頼感につながると思う。

ジーコは「いわれたことしかしないサッカーしかできないのであれば、
日本のサッカーはここ止まりだ。」
という。
トルシエの時より難しいことをしている。時間はかかるのだろう。
システムVS個人の技術・発想・アイディアという論争は、サッカー界では永遠のテーマだが、
個人技や発想において、圧倒的に勝るアルゼンチンが、規律の鬼監督・ビエルサのもとで、
ああいうキッチリしたサッカーを展開し、しかも勝利につなげているのを見ると、
うーむ、とまた考えてしまう。

大久保のプレーに未来の夢を見ましょう!



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