東海道四谷怪談/木ノ下歌舞伎

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2回の休憩、6時間に及ぶ全通し。まんまと言えばまんまなのだが、随所にキノカブらしい判断があり、興味深かった。演出の杉原君が、歌舞伎ドップリでない人なのがいいのだろう。

圧巻は、三幕目、三角屋敷と小塩田又之丞隠れ家の、繰り返される「行って来い」!こんなに泣けるとは思わなかった。ズッコケなご都合主義や、歌舞伎口調のハラハラ感など、異化効果というか、覚めた目が利いている。

てがみ座「燦々」で共演した箱田暁史君が、青年「直助権兵衛」を好演!「俺、何して来たんだろう~ッ!」が悲痛で堪らんかった。この際、五代目幸四郎のイメージなんか、どうでも宜しい。資料で見たのが三代目猿之助(現二代目猿翁、実は直助当たり役でした)だったとは、ハコちゃんの証言。ああ、それで、あのセリフの引っ張りなのね。

客席に藤間宗家がいらしたな。

段差の多い美術なので、これ以上怪我のないよう千穐楽を迎えられますように。


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