2017年アーカイブ

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三枚花弁の「けぶるゆうぞら」という江戸系品種。骨董商殺人事件の真相を、三種の骨董(壺・刀・絵)に証言させる盲目の弟子。そして、彼は骨董達に復讐されるという結末。
先ず器物の妖怪図絵(百鬼徒然袋)を思い出した。手紙、冠、靴、傘、槍、琴、木魚、面、鈴etc.所謂「付喪神(つくもがみ)」で、年を経た(百年、「九十九神(つくもがみ)」とも)道具に精霊が憑りついて人をたぶらかす。

作者は「羅生門」のイメージもあったという。平櫛田中氏の邸宅は趣きがあるが、如何せんアトリエは実用本位だから、ちと殺風景なのは致し方ないが、ここで22年の歳月を掛け、あの「鏡獅子」が製作されたと思うと、感慨深い。

いつも以上に緊密な演技と演出が圧巻。後半、趣向が立ち過ぎるのが気になるけれど、物語の展開が痛快なので、集中は切れなかった。丸刈りの吉田能君が、アクを抜き去った海老蔵のようで見惚れた。

奇想の前提/鵺的

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稽古三昧で、一切の事前情報を確認出来ず拝見。不快感満載の効果音で幕が明くので、てっきり超社会派な舞台と身構えていたら、物語がぐんぐん耽美な方向へ広がり、後半はあれよ、あれよ、なスピードで南海トラフが痙攣し、事件の首謀者は花火と共に空高く飛び、肉片と散った。

作・演出、制作、女優、三人のみユニットなのに、キャストとスタッフがちゃんと独特な世界を共有出来ている。幾分映像的に過ぎるのが、演劇の虚構を好む自分としては残念ではあるけれど、この設定でじっくり室内劇が見たくはなった。

西瓜糖「鉄瓶」にて、僕の弟役でご一緒した寺十吾氏は、視覚も聴覚も、これでもか!という高濃度な演出をなさるんですねえ。

お目当てだった、元「曲屋(まがりや)」さん(佐藤誓)は、クライマックスの長台詞が、流石の説得力である。

中野通の同伴者(押田健史)のお陰で、いい店(Agalicoタラート オリエンタルビストロ)で痛飲出来た。

同じ原作を取り上げた経験がある(2008年)という事でか、アフタートークにお招き頂き、勿論舞台も拝見させて頂いた。

時代物を洋服で演じるというだけでなく、大胆で繊細、シンプルなのに濃厚な空間、音響もリッチでスマートで、何と言うか、とっても洗練されたヨーロパ演劇を見た印象を受けた。

原文そのままの台詞を使いながら、適度なカット(良石和尚、馬子久蔵、孝助母おりえ)で、地獄に落ちた萩原新三郎の見る世界に集約されていて、目から鱗であった。

終演後、プロデューサー綿貫さんが設けてくれた飲み会で、山本亨さん、青山勝さん、松本紀保さん、らと、花組版「伴蔵」を演じた那河岸屋(なにがしや=小林大介)を伴い、楽しいひと時が過ごせた。有難うございました!

この野外劇シリーズ始まって以来の、大入り記録だったそうだ。西瓜糖、恐るべし!

作者(秋之桜子)が同じだからか、花組芝居に書き下ろして頂いた「夢邪想(2014年)」に、少し雰囲気が似ているが、天明大飢饉を引き起こした(他の原因もあるらしい)浅間山大噴火が、ドラマのクライマックス(大掛かりな屋体崩し)であり、花組芝居の湿潤なイメージと違い、随分健康的な猥雑さに溢れているのが、椿組のカラー。

泣き笑い満載、泥臭い祝祭感、そして漂う哀愁、椿組花園神社野外劇の定番要素を余す事なく演出した松本祐子氏の、腕っ節の強さ!適材適所でフル稼働した出演陣!来夏、演出(天守物語)をさせて頂く事になっている自分は、既に逃げ出したい気分である(苦笑)。

イヌの仇討/こまつ座

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書き直したいとお蔵入りしたまま、作者が旅立ってしまったと聞く。

赤穂事件の本質が、ご政道批判だった、というのは、初演の前、1984年に、丸谷才一が「忠臣蔵とは何か」で、御霊信仰から綱吉呪詛に到る流れをつぶさに述べていて、実に興味深いものがあった。

公家かぶれの大名、剣豪の家来(咲酒屋が珍しい役を勤める)、茶坊主、側女、女中頭、腰元、盗人、それぞれの立場から見た事件像が交錯し、最後に真相に辿り着く。歌舞伎役者なら、身分違いを肉体や声音で表現出来たであろう。演じ分けタイプの落語からも、ヒントになるかな。

深更から夜明けまで限られた時間内、喧々諤々の議論なので、例の「朝まで生テレビ!」と重なって面白い。

幕切れ、雪の降り方がアングラ好みで、演出家らしい。

10歳の歌舞伎ファン

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エフエム世田谷「劇ナビ」の収録中、ガラスの向こう側、調整室でニコニコと金魚鉢の中を覗き込む女子。アレ、誰だろうと思いつつ収録終了。

二人の女子中学生。「ラジオ制作の現場を見学にいらしてます。で、こちらは、こども歌舞伎スクール『寺子屋』に通ってらして、花組芝居も知ってるらしいです」え?歌舞伎はいつから?「小学五年からです」

ああ、僕も生の歌右衛門を「意識的に(見たいと自ら言った最初)」見たのが10歳だった(初歌舞伎座は3歳だけどね)。当代吉右衛門が、文化庁の巡回事業で、小学生の歌舞伎体験を既に10年以上行っているが、初心な段階で歌舞伎の楽しさを見たり聞いたりする事は、将来の歌舞伎にとって実に大切である。

頼もしく、嬉しい出会いだった。

ざらば/新宿公社

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或る一族の呪われた因縁話が、60年も尾を引いてるって物語(大雑把過ぎ)。

「幣園」しでぞの、と読ますか~。そして結末(個人的には判り難かった)と関わるのだが、主人公「木崎誠」の木。名前と役割を一致させた馬琴程に露骨ではないけど、作家って、この手の苦労って楽しいんだよね。

時空を細切れに行き来する構成が、煙に巻くってのか、スピード感がある。逆に、一度じっくり密室劇みたいの書いてみたら?ヒロ君なら出来そうに思うんだけど。

Twitterにもあったけど、3回目にして、随分、本&演出のレベルが上がった。良きかな、良きかな。

大車輪屋(とばしや=秋葉陽司)は安定路線。前回「凱旋」は感じなかったが、谷恭輔君は、ある意味ヒロ君の分身なんだね。

様々な要因なんだが、いつ以来だろう、歌舞伎座!

六代目歌右衛門が、「ビルの中に入っちゃう歌舞伎座なんてイヤ」と言い残し、果たして驚くほど先代そのままに蘇った「歌舞伎座」。正面車寄せの威容を引き立てる為に、奥へ引っ込んでそびえる、キレイな格子柄の高層ビルを見上げる度に、良く考えたもんだなア、と感嘆しきり。

こけら落しに来た時は、居心地が悪かったロビーも、空気が落ち着いている。建物って人間の思いがしみ込んで育つもんだな。

「鎌倉三代記」
昨年末「桐一葉」に取り組んだからか、物語に近しくなった。古典歌舞伎は、矢張り役者の肉体を見るもんだな、と再確認。

「曽我綉俠御所染」
両花道使用。東の仮花道分の入場料金が減るというので、野崎村や鞘当などは、ごまかす場合が多いが、芝居が立体的になるからいいもんだ。

「一本刀土俵入」
「大悪名」の劇中劇でチラリとお蔦を演じたが、それに際し、十七代目勘三郎&六代目歌右衛門、二代目吉右衛門&四代目雀右衛門、2バージョンの記録映像を見ているので、興味津々。他に、本で読んだ前進座の工夫、息を吹き返した儀十の子分を睨み付ける、島田正吾の「軒の山桜」幕切れ、先人達が競って工夫した作品。

一緒に見た自由治屋(ふりいじや=押田健史)は、(新歌舞伎より)古典の方が面白い、と。昔は僕もそうだったが、今は、照明の溶暗や、柝なしの幕の開け閉め、など、逆に古風に感じるのは変なもんだ。

昨年、演劇賞の栄誉に輝いた、野木萌葱氏(パラドックス定数)と和田憲明氏のコンビ再び!

奇々怪々な未解決事件を、良くぞあそこまで想像を膨らませられるものだ。世の中を弄ぶ、手が回るかも知れないギリギリ感に、打ち震える4人のおっさん。超リアルな装置や、効果音の細かさは、いつも通り。相変わらず緊密な演出!

以前から和田演出に出たい、と懇望していた那河岸屋(なにがしや=小林大介)は、上手くハマっていた。それでも、強烈な和田式稽古には、驚いたようだ。

俳優は、幾つになっても、自分を見つめ直させてくれる刺激が必要、外的であれ、内的であれ。「一生勉強」なんて言葉、優等生っぽくて嫌なんだけど、実は本当なんだよね…。

気弱な会社役員を演じた石田佳央君、自由治屋(ふりいじや=押田健史)とはサッカー仲間とか。那河岸屋とも気が合うらしい。終演後の飲み会、珍しく硬軟交えた話で、盛り上がる。

ヒナの命

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先日の朝、事務所へ赴くと、入口横に目印のように立つ樫の根元に、灰色の物体が。ん?鳥?ヒナ?恐らくまだ飛べそうもない、ずんぐりとした体で立ちすくんでいる。おや、巣から落ちたか?

事務所番の鳴流屋が、早速巣箱らしき物を作り、根元に居たんだからと、件の樫の良き所に設置。ピーピーと抵抗を示すヒナを、フワリと中へ。その際、二親と思しき成鳥がギャーギャーと飛び交う。数時間後、様子や如何に?と周辺を行くと、再び道端にヒナが!?「落ちた!落ちた!」と騒いだが、さにあらず、先程のヒナよりは幾分しっかりした体付きの2羽目でした。さては巣ごとひっくり返されたのか?

ともかく、親鳥が来やすいようにと、鳴流屋が苦心の新しい巣箱に。後は、近くを通る際も、距離を置き、ソロリソロリと気遣う。

翌朝、ピーピーと鳴く近くを親鳥が飛び交っているので、先ずは安心と思っていたが、犬猫なら幾らか覚えがあるが、何せ、種目も判らない野鳥。静かになったな、と夕刻覗くと、悲しや、2羽共に、仰向けに硬くなっていた…。

最初に臨終を確認した鳴流屋の、「あ、ダメだ…」の声と表情が、何故か愛おしかった。

親鳥の鳴き声や形状から、どうやら都会でも良く見掛ける「ヒヨドリ」と判明。あのまま道端に放置したら、車に轢かれたろうな、1日だけ延命させたんだ、という納得だけが、実は空しく残る、梅雨前の出来事だった。

黒蜥蜴/三越劇場

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幕開きに永島敏行氏演じる片桐警部(原作には出て来ない)が、客席に向かいざっくばらりと語り出す。堅物らしさに愛嬌が加わり、小さな空間での商業演劇としてはいい具合。

妖艶な河合雪之丞丈の緑川夫人、初登場からサッパリ古風な二枚目の喜多村緑郎丈。新派ベテラン、伊藤みどり丈、田口守丈らが、揺るぎない演技で、大きく振り動く芝居の、ホッとするような新派の基点を示し、一方、大人のジャンルを知り尽くした斎藤雅文氏が仕組んだ、新派の歴史総まくり風テンコ盛りプランに、フル稼働する新派のフレッシュ陣!

映画以外、それなりに歴史を持った、演劇の他ジャンルへの移籍は、その昔、十四世守田勘弥が新国劇入りを考えたくらいじゃないかしら?梨園から飛び込んだ二人のスターによって、昔、歌舞伎劇も翻訳劇も同レベルで演じていた新派が、改めて再生するキッカケになるかも知れない。

黒蜥蜴を、現「新派」へ引き寄せ、独自の世界を作り出した斎藤氏の才覚に敬意を示したい。12月に、30周年記念として「黒蜥蜴」の上演を企図する花組芝居。気負っていた肩が、幾分楽になった気がします。有難うございました。

一寸法師を演じていた喜多村一郎丈(半面隈取のチャイナ服。本公演の立師で立ち回りでも大活躍)、元は市川猿琉と名乗る澤瀉屋の一員で、自由治屋(ふりいじや=押田健史)にトンボを教えた師匠だったとは!?

2回の休憩、6時間に及ぶ全通し。まんまと言えばまんまなのだが、随所にキノカブらしい判断があり、興味深かった。演出の杉原君が、歌舞伎ドップリでない人なのがいいのだろう。

圧巻は、三幕目、三角屋敷と小塩田又之丞隠れ家の、繰り返される「行って来い」!こんなに泣けるとは思わなかった。ズッコケなご都合主義や、歌舞伎口調のハラハラ感など、異化効果というか、覚めた目が利いている。

てがみ座「燦々」で共演した箱田暁史君が、青年「直助権兵衛」を好演!「俺、何して来たんだろう~ッ!」が悲痛で堪らんかった。この際、五代目幸四郎のイメージなんか、どうでも宜しい。資料で見たのが三代目猿之助(現二代目猿翁、実は直助当たり役でした)だったとは、ハコちゃんの証言。ああ、それで、あのセリフの引っ張りなのね。

客席に藤間宗家がいらしたな。

段差の多い美術なので、これ以上怪我のないよう千穐楽を迎えられますように。

死とエロスを描いた原作をモチーフに、可愛いらしさと寂しさに溢れた作品に仕上がっていた。

ヌメヌメとした金魚の感触に、女体の艶めかしさを描くという感性は、相当エロチックなもの。魚拓にする際に「酢で洗う」という言葉が度々出て来るが、それすらも幾分淫らな印象を受けるのは、こちらが男だからか?

会話のみで進行する原作のシュールさは、文字だから成り立つように思う。これを、実際、俳優の生身を使う時には、ムードだけではなく、実感というか、生っぽさ、人臭さがあると、更に舞台が濃厚になる。

こんな話(もっと違う表現を使ったように思うが)を、終演後の宴席で大野と意見交換した。

伊予屋(いよや=桂憲一)の老体は、その実、枯れ切らない所に面白みがあろう。登場の度に色が違う自由治屋(ふりいじや=押田健史)、経験を糧に!

蝉の詩/劇団桟敷童子

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前回は松本紀保嬢がご出演とあり拝見した。今回は、元花組芝居の佐藤誓が。

何年も土中で暮らし、晴れて地上に出るも、羽ばたいているのは一週間(実際は一か月くらいらしい)という蝉は、人間の生れ変りとか。

蝉と対話する、ホームレスの老婆の来し方が、得意のタッチで描かれる。緑色の紙吹雪は、紀保嬢が出ていた時も吹き荒れたが、実に面白い効果だ。

硬軟自在な誓の演技が見ものだった。連日完売だったと聞く。

鈴の会/深川江戸資料館

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那河岸屋(なにがしや=小林大介)と田仁屋(たにや=谷山知宏)がお稽古に通う日本舞踊、2年毎の発表会。

田仁屋は、市村座の脇狂言だった「七福神(長唄)」を踊る。長唄では最古の曲の一つだそうだ。テンポが早く、手数も多い踊りを、通いだして間もない田仁屋が器用にこなしている。

先輩那河岸屋は「夕月船頭(常磐津)」。大学の実技授業で習った覚えがある。「当たりゃ当たりゃ」と台詞を言ったかな。費用を掛けないのがモットーの会なので、粋な浴衣に短髪という出で立ちが不思議。そうそう、大学の授業で、色男を踊る時は自分の鼻を見ろ、と言われた。つんと澄ました感じが出るからかな。

切りに師匠(会主)の「浮かれ坊主(清元)」。強さと柔らかさのバランスといい、品のある軽妙さに溢れ、流石一流品!いい物を見せて頂いた。

さ、次の2年で彼らは何を見せてくれるだろうか。

三島由紀夫を狙ったそうだ。新劇が古典に対抗し得る表現を、セリフのエロキューションに求め、満艦飾な修辞に彩られた戯曲を残した。当戯曲の文体も一文が長く、出演者一同苦労したとの事。

浪費とセックスしか興味のない、堕落した華麗なる一族が、梅毒と天然痘をミックスしたような性病の蔓延で、滅亡して行く様子を描く、実に骨太なドラマ。

様々な思惑があろうが、新作ダブルキャストは現場も大変だろう。例外を含む男女入れ替え配役に関してなど、個人的な意見は、初日乾杯の席で、代表殿にはお伝えした。

劇作と演出との距離感は大切である。二次元を三次元に移す作業は、お芝居の膨らみを左右する怖い仕事だ。

挑戦する姿勢は良い。自分も忘れないようにしないと。

小太郎君が久し振りに三越劇場へ帰って来た。その上、帝劇「西鶴一代女」で演出させてもらった時は、確か園佳也子さんのお手伝いをしていた佐藤太三夫君、新橋演舞場「和宮様御留」で共演した(絡みはなかったが飲み友達になってしまった)松村雄基君が出ると聞いて駆け付けた。

第一部の芝居で見せてくれた、大川橋蔵写しの銭形平次。小太郎君のいつになくテンション高い演技。橋蔵のことに関して書いた日誌はこちら

第二部はいつもと違い、前半はゲスト達の受け持ち。雄基君がオリジナルの持ち歌を披露し、華麗な歌と踊りの元ОSK桜花昇ぼるさん、そして、湘南ボーイズ「ZANPA」!EXILE風と見せて、メンバー4人とも歌が上手い。石原裕次郎をカバーしたり、オリジナルも昭和歌謡まんま、興味深い。

後半は小太郎君オンステージ。冒頭で見せた「神楽両面」は、昔、「後ろ面」という芸があり、その流れか。また、早替りも一段と素早く煌びやかになっていた。彼の挑戦は今も続いている。

松村雄基君、芝居に舞踊にと、お疲れ様でした。

散骨

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生前、武蔵屋(水下きよし)が願った散骨に同道した。彼の小中学校同級生有志と、未亡人様との旅程に加えて貰いました。

初めて、二子玉川から成田空港へのリムジンバスを利用。お高いけれど(3100円)、兎も角楽ちん!渋谷エクセルホテル東急とセルレアンタワー東急ホテルを経由するまでが、道の混雑もあり時間を要するが、その後はスイスイ。朝早かったので道中は睡眠と決めていたが、渋谷から乗った、若き白人女性のロシア語が姦しく閉口…。

LCC(ローコストキャリア=格安航空会社)専用の第3ターミナル(2015年落成)はお初。建物自体も徹底したローコスト振り(ビニールぐるぐる巻きの梁も、そして数多パイプも剥き出し)に驚いたが、充実したフードコートも身分相応で、これはこれで良し。


DSC_0006 (43) - コピー.JPG青嵐、やってくれました、雨…(地元の人も「この時期、珍しい」と)。


奄美空港まで2時間50分。そこから国道58号ひたすら、車を利用して2時間で古仁屋(こにや)港に到着(端から端だからね)。ここからは船で、加計呂麻(かけろま)島薩川(さつかわ)へ20分。噂の満点の星は見られず…。チ、青嵐。


目の前が海である宿泊先は、水やんの小中学校共に同級であった栁沢(やなぎさわ)氏が経営するペンション「紫微鑾駕(しびらんか)」。


DSC_0004(24) - コピー.JPG2日目。海を臨む絶景ポイントを幾つか巡る。中にも「夕日の丘」から見る「江仁屋離島(えにやばなれじま)」こそ、離島奪還訓練が行われた無人島である。


IMG_20170312_115327 - コピー.JPG3日目。いよいよ散骨当日。何故か晴れ渡る!?強風の為、波は荒いが紺碧の海原に、参加者一人一人が、「飛び蝙蝠」の紋入り升で…。散骨初体験なのだが、骨は殆どパウダー状に粉砕されているので、風に煽られ、少なからず「水やん」を浴びてしまう。彼の好物だったブランデーを分け合って一同献杯。残った分は海の水やんに飲んでもらった。メインイベントを終え、連夜の飲みもあってか、皆さん夕食までボンヤリ、釣りやら買い物やら。


IMG_20170312_144328 - コピー.JPG自分は土産物購入の為「いっちゃむん市場」へ。「いちゃもん付ける」でなく「いっちゃむん(=良い物)」だ。


翌日帰京。夕刻の出発までの時間を有効活用。ゴールドパール(言葉通り、金色の真珠)、レインボーパール(光の具合で玉虫色に見える)、で有名な「マベパール株式会社」から、大島紬の制作実演&販売をしている「大島紬村」へ。


その後、話題の「鶏飯(けいはん)」を食す。本来は豚だったのを、もてなし用に鶏に代えたのが始まりらしい。たんかんの皮を刻んだ薬味がポイント!IMG_20170313_104353 - コピー.JPG


そして、加計呂麻島薩川、お宿「紫微鑾駕(しびらんか)」が、武蔵屋(=故水下きよし)の聖地となった旅でした。

本物のホテル(パールホテル両国)の宴会場(実際は会議室だが)で、ホテルの宴会場で起こるスッタモンダを見せるという企画。

達者で個性的な役者が揃い、脚本の展開が早く、小気味が良い。ベテラン漫画家(66歳で逝去)のお別れ会という趣向も面白く、挿入される映像もシャレている。一年だけ相撲部屋に居た、宴会部マネージャーという設定の大車輪屋(とばしや=秋葉陽司)が、極めて手の多い「両国ダンス」を器用に踊る。

現実の場所で、芝居の虚構を如何に説得力あるものにするか?というのは、とてもハードルの高い作業である。観客参加型というのもなかなか厄介。更なる挑戦を続けて欲しい。

「両国」に拘った設定なので、無性に食べたくなり、大車輪屋と主宰の冠仁(かんじ、だからカンムリプロデュースなのか!)君らとで、「江戸沢」ちゃんこ鍋(塩味をチョイス)を食らう。久し振りだったが、矢張り美味い!中国人のお客が多いからか、喋れる店員が何人も居て驚いた。

空間も中身も複雑なパズルのようなお芝居だった。ト書きが膨大な戯曲らしいので、人物の会話と共にそれも読み解かなければならない。

それぞれ固有の闇を抱えた三つの家族の会話が、常に入り乱れ、ついには重なり合う。そして停電が復旧すると共に、明るく幕切れを迎えるものの、本質は何も解決していないという、実は怖い物語である。

松本紀保嬢が、振幅の激しい主婦役を。「サド侯爵夫人」で母と妹娘で共演した小林タカ鹿君が、全裸体当たりで、イケメン旦那役を。阿佐ヶ谷スパイダースの中山祐一朗君が、繊細なゲイ役を。元天井桟敷、福士恵二氏が、悩める夫役を。

ロンドンで上演された時は、おそらく大爆笑の連続だったろうな、と思う。その証に、出演者の証言では、昨日は客席が随分笑っていたという。思えば、年齢層の高い業界人の多い回ではあった。

俳優も含め、舞台全体のセンスの中に、いい意味での「おとぼけ」感があれば…。俳優と役との距離感という事を考えた。

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