武蔵屋の死後丸２年、「ことば」は或る進化を遂げた。何より、音楽担当の鳴流屋（なるや＝丸川敬之）以外、全て女性。水下ドーターズ（娘？／苦笑）とも言うべき彼女達が奏でる、同性声の共鳴が美しい。
水やん独特のざらつき？不安定？が無く、過不足のない、隅々まで綺麗に仕上がっている印象。一つの到達点としては良いのではないか。一緒に見た花組連とも一致した「女性オンリーがＧＯＯＤ！」男役も登場する普通の戯曲を読むのも面白そう。それが行く行く行き詰ったら、又見直せばいいのさ！
小口ちゃんを除く全ての皆さんと、「ノータリン～」「なる派手」の現場で演出させて頂いた。これも水やんのご縁。
ぼろぼん忌「なる派手」千穐楽にいらした土田君、「弥生時代の言葉を復元してみようとしてるんだけど、もう大変」とこぼしていた。
昔の「は（ＨＡ）」は「ふぁ（ＦＡ）」だった（舞台ではＰＡと発音してたかな）、とか、濁音は無かった、とかｅｔｃ．直ぐ判る単語と、「？」な単語が交互に聞こえて来て、ルールが判るまでは、実に頭の体操のような経験で、不思議な異化効果。そう言えば、ＭＯＮＯさんの演技感覚は、この「異化」にあり、その究極が今回の作品かな。
後半、俊寛やら（行くか？残るか？）、屋根の上のバイオリン弾きやら（土地を奪われる）、がダブって愉快。
劇作家間で物議を醸したらしいエピローグ（アフタートークでの土田君談）、彼が経験した面白出来事を是非、戯曲に組み入れたかった、という動機は、それなりに説得力であった。
東宝ミュージカルを中心に活躍する技能者達を、ご自身もミュージカル俳優である、丹宗立峰氏がチョイス、脚本(陽なた)＆演出も兼ねた公演。
「シアター１０１０ミニシアター」センジュじゃないの？稽古場？入口は公共機関の関係者通路なのだが、入ってビックリ。それなりの設備のアートスペース！同一平面の空間に、仮設舞台とシッカリとした椅子を並べて１００人前後かしら。
同い年の叔父さん？(母の従弟)森田浩平が、最近定番の「父」役で、和製ミュージカル。少し会話の書き込みが弱いが、音曲と芝居の絡みが、巧み過ぎて、最初は本場アメリカの翻訳物かと。
田中利花さんの歌唱力が！！
同行した自由治屋(ふりいじや＝押田健史)、そして浩平氏と、オシャレな舞台とは打って変わった北千住の居酒屋で役者談義！
「市民と創造する演劇」という冠だが、琴張屋（ことわりや＝森川理文）が、２００４年「いろは四谷怪談」以来、ご無沙汰に舞台（地元！）に立つ。しかもオーディションを勝ち抜いて、と本人から電話を受けた時のビックリ。更に年明け、「どの役に決まったと思います？」「君なら、シスビーかな？」驚くまいか、「いえ、ボトムです」！？！？！？
初めて訪れた豊橋駅。真新しい駅ビルやら駅前やら、なにしろ渡り廊下で繋がる劇場の素晴らしさ（ちょっと残響が気になるが…）！
秋の「てがみ座」でお世話になる、扇田拓也君（構成・演出）が、先ず市民６０人の采配でさえ、大苦労だろうに、森川のし良いようにも配慮してくれている。有難い。
久し振りにお会いしたご両親と、親しく祝杯を上げ、同行した片腕「おーにょ（大野裕明）」と制作陣と、帰りは「こだま」で２時間たっぷり二次会を。
他に例のない特異な表現者「コング桑田」！強悪そうな顔付きとは真逆で、優しく可愛らく、ちょいとおっちょこちょい。
所属劇団の３０周年と、ご自身の劇団人生２５周年、重なる目出度さに、地元大阪人揃いの初日客席の濃さ。やり放題ながら、馬鹿騒ぎにならない内容が、矢張り大人な感覚で、湯加減が良い。
中島らも氏という才能が、今更ながら惜しまれる…。
アメリカの本質？本音？
