ミュージカル チェアーズ/ミュージカル座(ネタばれ)

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チラシイラスト通りの趣向が傑作。お洒落なデザインだか何もないガラ~ンとした空間(パネルで囲う残響問題を、布張りの、おそらく段ボールで解決!)で、主なる道具が椅子のみという制約が、智恵と想像を生み出す。そう、何か足んない方が、いいもん出来るんだな。

かつて、師(僕は日芸出身だが、そう思ってる。師は早稲田で教鞭を取っておられた)郡司正勝氏から、「花組さんはお金があるから…」と、欲しい物が手に入る環境(劇団もそろそろ10周年という時期だった)が、如何に貧困な表現を生んでいるかを大ダメ出しされた。学生演劇の延長でチマチマ、でもハチャメチャに活動していた我々を、最初に評価してくれた郡司氏の言葉は、ほんと痛烈だった…。

ミュージカル俳優のオジ(正確には母の従弟)森田浩平が、大汗かいて、キャスター付きの椅子と格闘していた。しも歌いながらだから、そりゃ大変だ!

コメディ仕立てな小品が2つ。片や自動車(現代サスペンス)、片や馬(西部劇)を、それぞれ趣向に似合った(自動車は背もたれの高い真っ赤なもの、馬は皮張り風)椅子で縦横無尽。

女優陣の歌声が細いのが気になる。コメディの演技って多少緩いテンションが必要で、ミュージカルの方は芝居が目一杯になり過ぎる傾向がある。が、それらを、会話の妙、心地良いメロディ、そして椅子という趣向が補っている。


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客席には、数十年振り立花裕人氏(キャスター、プロデューサー、作詞家)。終演後は浩平氏のご次男晋平君(画像下段右。大学4年、只今モデル事務所に所属)、イッツフォーリーズの大塚庸介氏(同じく下段左)、と中目黒銀座(洒落た店多し)の焼肉屋へ!


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