三人吉三/木ノ下歌舞伎(ネタばれ)

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「三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)」、「吉三」のサは濁らず、「初買」はガイと濁る、とは、昨年亡くなった、黙阿弥の曽孫河竹登志夫氏の解説。

文里(ぶんり)と一重(ひとえ)の件も珍しいが、初演以来絶えている「地獄正月斎日の場」復活(あの、ギンギラギンのテンション好きだな~=演出:杉原邦生君)が快挙!全集でも無視されているのを、「新調日本古典集成」で今尾哲也氏(氏も一昨年死去されている…)が取り上げたのは、流石武智鉄二氏の弟子。

2回の幕間(マクマでなくマクアイ)を含めて5時間10分!

花魁や遊客といった、身近でない役柄は矢張り難しいが、なかなか良い味を出す俳優が多い。

前回、先代猿之助写しが見事だった武谷公雄君が、どなたかのを写したのだろうが、ちゃんと自分のカラーで包めた伝吉でGOOD!一緒に見た佐藤誓が「えッ!35歳なの!?」と驚いていた。そう、素顔はシュッとした若者なの。

大村わたる君の和尚吉三が、ちゃんと今を生きている。田中祐気君、可愛いブレザー着てるのに、ちゃんと十三郎に見えるのがビックリ。以前花組芝居の研修生だった塚越健一君も、年齢を重ねていい感じ。

全幕通しの企画は素晴らしいが、四代目小団次が和尚と文里を、三代目粂三郎がお嬢と一重を、それぞれ兼ねるという趣向が矢張り命だったように思う。ま、埋もれるのも仕方ない…。

水郷屋(=堀越涼)に、つらねの目線を注意する。


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