2015年1月アーカイブ

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「あっち行けよ!」

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昨日まで仲良く遊んでいた親友から、こう言われる経験を幾度もした。それ以前の「幸和君」は、如才のない、高い声で良く喋る子だったが、人を疑う事を覚えてしまった。

今も続く此の性癖で、他人の言動の裏を考えて、先ず言うべき事、するべき事、を逃し、更に悶々と内向して行く。

そうなる度にうんざりするのだが、治る見込みもないし、この屈折が、自分を演劇へ駆り立てたのだから、それはそれで良しとしよう。

でも、一人悩んで夜中寝られない状態は、いつ訪れても嫌なんだけどね…。

闇と光の魔術を見た、文芸坐ル・ピリエでの旗揚げ。入れ込みから圧倒された、森下の自前アトリエでの公演。それぞれ寺山演劇の正統な後継者の力強さを見せ付けられた。その後、世田谷美術館での公演は、新しい方向を模索しているように見た。

以降、花組芝居を旗揚げてからは、手前の事で精一杯。随分遠ざかっていたが、カセットテープで聞いた、あの「身毒丸」が、寺山さんと共に創り上げた、J.A.シーザー氏により初演そのままに再演されると聞き拝見。

前後の寺山作品とは、多少趣きを異にする作品だが、伝説となった「演劇実験室◎天井桟敷」の世界を目の当たりに、タイムスリップした印象。何より、オペラ歌手の歌唱を中心に、琵琶と箏、クラシック管弦、などが加わった重層な楽曲が堪らない!今更ながら、シーザー氏の才能に驚嘆する。

肝心の歌詞が殆ど不明瞭なのは、「ロック」という性質上仕方ないと、早々に諦めて音と肉体の躍動を終始楽しんだ。嬉しいのは、天井桟敷同様に、観客に届かす台詞の緩急と、しなやかで俊敏な肉体が、キチッと伝承されている事。当時、重要な魅力の一つだった、俳優個々の濃厚な個性が薄まっているのは、ジャンルを問わず、演劇界共通の現状だが…。

寺山演劇は健在でした!

結露

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雪模様の外気が超低温なので、加湿器からの蒸気でこんな感じに。

昨年の今頃、東京は何十年振りの大雪で、「お別れ会」の前後は大変だったな。

花組HON-YOMI芝居の演目も、頭の中では決まったし、12月「毛皮のマリー」も、多少凝ったアレンジを加えるつもりなんで、そろそろ劇作家モードになろう。

丸いも

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と言えば「加賀丸いも」らしいが、秋田県田沢湖辺りだけで取れる品種があり、稀少で殆ど他所へ出回らないのが、たまたま手に入った。

すり下ろすと、強烈な粘度をもった、ひとッ塊のトロロ(というより、餅?)になる。先ず簡単に切れたり千切れたりしない。加賀のものは、片栗粉を加えて鍋に投入し、団子状に固めて食すのだが、秋田産はそのまま湯がいてもOK!只、擦るのが一苦労で、器具にくっ付いて往生した。

美味しかった~ッ!

新内勝喜さん(長年花組芝居をご贔屓頂いていたそうで、有難いっす)の生演奏につれ、奄美大島出身の芸者が語る、90歳のお旦那との顛末を、一人芝居初体験の大森茉利子ちゃん(あやめ十八番)が力一杯!

様々ドラマティックな仕掛けが施された脚本が、水郷屋らしい。

勿論、上司として仕事内容への意見はちゃんと言わせて貰ったが、常に挑戦する姿勢を崩さない彼の活動には感服する。

一つ前の芝居の追い出しと、これから始まる舞台の受付が重なり、狭~いロビーがごった返すが、それを整理する人が居ないのがちょっと…。ま、ご見物の皆さんが「大人」ばかりで良かったけど。

20企画が1日に4、5公演!参加条件を見ると、良く考えられた企画ですな。

朝から、このフレーズが頭の中を駆け巡っている。そして、寂しいのに一人で居たい感覚…。


DSC_0002 (8).JPG「ぼろぼん忌」色んな関係者が、水下の為に集まってくれた。


森川理文


指圧と鍼灸の仕事をちゃんとこなしているが、彼の脳内の言語中枢はちゃんと機能していない。「あいうえお」が我々健常者のように聞こえていないのである。雑音のような音を、懸命なリハビリで聞き分けられるようにした。一時の症状からすれば、携帯での会話や、楽器を演奏するなぞ、考えられなかった。その彼が、一周忌のイベントに出たいと連絡して来てくれた。しかもあんな最新鋭な「大正琴」で!


DSC_0004 (3).JPG佐藤誓


学生演劇に飽きて、ダンスの世界に浸り、花組へはダンサーの助っ人として関わった。その彼に、入座させるキッカケの声掛けしたのが、実は水やんだったと今回初めて知った。「入れば?」と促したそうだ。あの頃から、水やんは、僕の「右腕」になってたんだなア…。


2月5日初日、DULL-COLORED POP『夏目漱石とねこ』の稽古が佳境なのに関わらず、どうにか空いた透き間を縫って来てくれた。


DSC_0003 (7).JPG各務立基


俳優座を捨てて入座して彼を、僕は重用した。水やんも面白がって「弾丸列車」のレギュラーに起用した。基本、僕の価値観を是としてくれていた水やんは、僕が様々な局面で気にする座員を、僕同様に大事にしてくれていた。


今や声優界の人物だし、「弾丸列車」往年のキャラ「Dr.魔私利戸」をやってくれるかどうか?だったが、本人も愉快に復活させてくれたのでホッとした。秋葉陽司と共に、「弾丸列車」の何たるかを知る人物でもある。


それにしても「Dr.魔私利戸」の衣裳が残っているとは思わなかった。


DSC_0006 (3).JPG安冨順


劇団以前から、僕に関わった水下を知っている、今や稀有な存在の一人。芝居者と教師というジャンル違いはあるが、同窓だった高校時代からの縁である。


演劇に関わっている(桐朋の演劇科で古典の教鞭を取る)が、現場人でないのに、一周忌だからと駈け付けてくれた。


その他にも、娘さん「実優」ちゃんが女優として、「おおのの」や「あやめ十八番」に出て貰っている、大学の同期、元花組芝居、気象予報士、木原実も!

DSC_0008 (4).JPG55歳。


水やんは、最低55まで生きるつもりだった。次男坊の有り勝ちな流れか、お母さん子だったのだろう。母の享年55に拘っていた。


1年足りなかった。そして僕は55になった。約1か月お兄さんの水やんを追い越してしまった。


年齢がストップした代り、彼は「永遠の存在」という立場を得た…。

勉強になりました。

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以前幾度か立ち寄って気に入った店。金曜日だから混んでるかな?「今、満員ですが、空き次第ご案内します」風が吹き込むスタンディングで暫く飲み食い。「席、空きませんか?」「予約がありまして」が!が!が!見ていると、新規の客をどうぞどうぞと入れている。ちょっと頭に来たんで、店の奥を睨むと「間も無く空きますから」「もういいです」そして決定打、お釣りを胡麻化されかけた。二度と行かないと誓いました。

さ、これから自棄飲み食いさ…。

寺山修司氏32歳、ピチピチと同時代に共感して書いたのだろう、全体に新鮮な生野菜のようなシャキシャキ感がある。それを、年知らずな先輩方が、回顧でなく瑞々しく再生させた。


トッ散らかった構成だが、体制批判の毒がエンタテインメントに昇華されている面白さは、寺山さんのモダンさがなせる業。


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「宦官提督の末裔」でご一緒した大久保鷹氏、「カスパー」以来、30年来の若松武史先輩、頼もしき兄さん金守珍氏を中心に、もしかすると三世代を網羅したアングラ正統を継ぐ人々が楽しそう。今年生誕80周年、初物の寺山世界を見て、水嶋カンナさんが企てるユニット、「女アングラ」の底力も感じつつ、時代を超えた寺山氏の魅力を再確認した。


画像は「フォトセッション」で解禁になって写した物。

三宮駅

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震災後半年頃に訪問した。商店街には、今にも倒壊しそうに傾いたビルに立ち入り禁止のテープが張られ、道路整備のホコリが舞う中、マスクをした人々が、動き出した社会機能に伴い忙しく行き来していた。

新神戸オリエンタル劇場を目指しテクテク。加納町の交差点辺りから瓦礫が無くなった。断層のこっち側とあっち側の落差に驚いた。劇場事務所へ顔を出した。アポ無しで訪れたので驚いたスタッフは、ちゃんと勤務に励んでいた。

ボロボロになった町でも、人々は逞しく動いていた。そのエネルギーが嬉しかった。ただ、行き付けだった、三宮駅ガード下の店(オモニ)が潰れていたのはショックだった。あの在日ご家族の安否は…。

後日、皆さんご無事で、昔のままに復元した店で、座員達と飲み食い出来て、心からホッとした。ここ数年ご無沙汰だが、今頃皆さんはどうしてらっしゃるのかしら?

大笹吉雄氏が会長を勤める日韓演劇交流センターが、14年に渡り(隔年で7回目)、韓国で評価された戯曲を紹介して来たお仕事を初めて拝見する。

「鉄瓶」でお世話になった松本祐子嬢が演出し、田仁屋(谷山知宏)が出るというキッカケが無ければ、なかなか足を踏み入れない領域。

「リーディング」とは名ばかり、場面展開が複雑で多いというので、役者が動く動く。果てに舞台上で早拵えまで!

北と南双方が抱える暗部を、寓意も含め、一家族の様々を通して描く。一貫しているのは、「金」に群がる人間の悲劇。彼らに未来はあるのか!?な幕切れが苦い。

昨日のシアターイーストといい、石造りなシアタートラムの空間が実に美しく見える。下手に飾らない方がいいんだね。

谷やんが徹頭徹尾二枚目さんでした。他の出演者さんも個性的なベテラン揃い(谷やんも含めオーディション)で、松本嬢の確かな目!

何年振りだろう、利賀村で共に合宿した仲間である。

近年は毎年海外公演なさっているようで、大変アーティスティックな作品を生み出していると聞いていた通り、入れ込み中の空間処理も、誠に幻想的で美しい。東京芸術劇場のシアターイーストは、お隣のウエストと違い、箱型スペースなのだが、それを生かし、無機質な密閉感が、「許す」を「許されない」に置き換えた新解釈テンペストには実に効果的。

主演の山本芳郎君から「いつもと違って、随分壊してますよ」と脅されていたが、どっこい、殆ど原作通り進むし、ブロスペローの死を暗示して終わるまでの、ドラマに潜む葛藤を炙り出した面白さもちゃんと伝わるではないか。

やっぱり同世代の創作活動は見るべきだな。

片山幽雪氏

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先代井上八千代さんにそっくりな風貌が、新派の傑作「京舞」のドラマが思われて…。

森崎事務所プロデュース「海神別荘」でお世話になった能役者、味方玄(みかたしずか)氏が師と仰ぎ、毎年水道橋宝生能楽堂で催される、1日だけの自主公演「テアトル・ノウ(東京公演)」に、補佐としてご出演なさっていて、お姿は拝見していた。

ご冥福をお祈り申し上げます。

2009年赤坂レッドシアター(外題は「ベルゼブブ兄弟」だった)の小空間にはち切れんばかりのセットに圧倒されたが、本多劇場に、ぽつんぽつんと、欠けた屋根付きの座敷と掘立て小屋、黒い空白(後ろは一面黒幕)が随分空虚なイメージ。

これが追々濃厚なドラマ展開で、パンパカリンに埋まって行く。揚句に本水の雨まで。

反発し合う義父と子(4人兄弟)がやっと和解するのに、あの悲劇的な結末。そこにこの家族のマグマが隠れていたのか!?

ストーリーがとっても判り易い。筋が通ると逆に芝居としてつまらなくなる事があるが、ちゃんと鹿殺しカラーが散りばめられている。きっと昔は若さの勢いのままに、盛り込んでいたんだろうが、冷静なハチャメチャ具合に「大人になったなア」。

若手も増え、彼らが順調に育てば「鹿殺し」は安泰であろう。

「悲劇喜劇」は既に2月号が出版されているので、今更の情報ですが、2014年を振り返るというお題で、編集部さんからのご意見もあり、「水下きよし」と題して書かせて頂きました。「テアトロ」は80周年でしかも900号記念で寄稿致しました。

書き留めるって必要な事ですな…。

演劇ぶっく2月号

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「今までもっとも衝撃を受けた舞台!」に一文を寄せています。

振り返れば衝撃的な舞台って、他に幾つかあったのは確か。俳優として、演出家として、劇作家として、そして劇団主宰者として、複数の目線があるからね…。

で、矢張り辿り着いたのがアレ。その後の、意識的な動機の原点なんです。

治癒

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年明け、自宅の階段で踏み挫いたか(毎晩酔っ払ってたんで記憶無し)、左膝を痛めていた。普通に歩くには良いのだが、階段の上り下りに激痛!寝返りもイタタタッ!寝られん…。

年齢を考えると皿をどうにかしたか…。このままだと25日の落語が…。その日、ギリギリやり過ごしても手術は免れないのか…。ゾロ目の今年、身体にメスが入るのも何の因果か…。

ここ数日、静かに落ち込んでいたが、今朝目覚めると、アレ?イタミ君何処行った?原因を究明していないので、本当に治ったのか判らんが、兎も角ここ数日の胸のつかえが取れました「マル」

最近気になった「市川九團次」さんをキッカケに、「市川中車」「市村竹之丞」「中村富十郎」etc.名跡にまつわり右往左往した人々の話を。

最後に「利根川金十郎」を取り上げたのが、〆には丁度良かったように思うという手前味噌でした。

第二回は2月8日(日)14:00~です!お申込みはこちら

「いらっしゃませッ!!」野太くイカツイ声がお客を迎える。そうだ、ムンムンたる男所帯にお邪魔したんだった。


「得体の知れないもの」が徘徊するジャングルで仕掛けられた結婚式。ジャングルの直ぐ向こうにバス亭があるのに、人々はここから出られない。会話は堂々巡りをし、何も解決せず混沌だけが広がって行く。


実は随分ご無沙汰していた内藤裕敬氏のホーム公演。昔ながらツギハギ中割り引幕が嬉しく、変わりない泥臭さに渋みが加わり、劇団っていいなア。


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終演後の飲み会が9割男いうのも、万歳らしい!内藤氏と小劇場界の昔話を暫く。そんな頃もあったね…。河野洋一郎氏とのツーショット、いい感じでしょ!


2015年の初芝居が、同世代の老舗小劇団だった事は、舞台内容といい、今年一年刺激的に過ごせそうっす。

病院

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この年齢になると、身体のあちこちのメンテナンスやチェックが必要になる。

12月は忙し過ぎて怠った健診の為に、早朝からバス亭に並ぶ。サッ!サッ!サムッ!食事療法のお陰で血圧が下がったのか、最近特に朝方手が冷たい。それにめげす、かじかんだ指で、書き留めた落語台本を捲る。

土曜はいつも混むのだが、早めに出掛けたのが良かったか、スイスイ検査も終わり、支払いなどを済ました直後に、スルスルと乗るべきバスが到着。この間の良さは何だろう?

帰宅し改めて台本を。そろそろ下げの部分に差し掛かる。まだまだ白くなったりつっかえたりするが、先ずは最初の一山を越えたか?

さて、今夜はようようの初芝居。終演後の飲み会が今から楽しみ!(呼ばれなかったどうしよう…)

風が泣いている

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♪ゴーゴーゴー 風が叫んでいる~。強風吹き荒れ、薄暗い二子玉の空に誘われて、ザ・スパイダースを聞く。マチャアキの声が若い!

懐かしいけど、ほろ苦い…。お、又「ほろ苦い」出ました。今年のワードはこれなのかな…。

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