全く夢心地な2ケ月だった。
劇団本公演で外部の方に書下ろして頂くのは久し振り。台詞は元より、ト書きも自分とは違う文体なので、その世界感を咀嚼する作業が先ず必要である。
随所に挿入される歌と踊り、次々登場する小道具!通常なら全体像を見る為に、ちょくちょく部分的でも通し稽古をするのだが、どうも作ったものに不安が残り、通さずに幕切れまで作る作業を、確か四巡程繰り返した。
その都度、あれ?違う、変えます!の連続だった。いつものスタッフが、常に臨戦態勢で臨んでくれたので、さっき注文した小道具が、試作品として直ぐ稽古場へ持ち込まれる。有難かった。
ともかく演出を全うしようと、ギリギリまで代役で稽古したので、初日が開いても暫く、役の声音が掴めなくて往生し、中日まで、楽屋で台本と睨めっこしながら舞台を勤めた。揚句に大千穐楽の幕開き、あれ?俺、下手から出るんだっけ?あやめ十八番の主宰者に呆れられるはめとなった。
こんな具合にフワフワした感覚で日々を送ったので、アンケートやネットで頂戴した評判が、何故か他人事のように実感が湧かず、今に到っている。
まさに夢邪想
。