2011年7月アーカイブ

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京都

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何年振りだろう。DVC00446.jpg

画像① 本物の「柳小路」!二子玉に同名の一区画があるが、企業がコーディネートしたもの。河原町通り、ゑり善本店の角を入った先の、ごく細い(幅2メートルあるかな…)路地。昔は河原町通りから直ぐにキャバレーがあり、そういう遊び方をしようとする人間しか侵入しなかったとか。今は若いカップルがぞろぞろ散策なさってますし、そんな店も幾つか。

この柳小路、昭和20年代は、京大生が入り浸る、カウンターのみ、4、5人も入れば満杯という、飲み屋がずらり並んでいたそうだ。そんな中、当時の店(手前の「静」)が、60年を経て当時の建物まま残っている。話だけ聞くと、新宿ゴールデン街なイメージなのだが、改装した店も町家風な木造で、役目は同じなのに随分イメージが純和風。

DVC00449.jpg画像② 京都五花街(上七軒・祇園・先斗町・宮川町・祇園東)で由来を言えば、秀吉の頃から伝わる最古の上七軒(かみしちけん)。その通りから路地をちょっと入った「串かつ お初」。上七軒は、観光スポットな祇園に比べると地味かも知れないが、実は京都一の格式と見識を有する色街。そんな中、数年前、老舗「吉田家」が無くなったのは、京都花街の歴史としても残念…。


以上、それぞれ、如何に京都流行とは言え、超ディープな場所です。

岸家の夏/劇団鹿殺し

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ここだけの話、同世代の演劇人内では賛否両論な劇団です。勿論、俺は「賛」派です。歴代エンタテイメント系からすると、頼もしき後輩なんだけどな…。拝見するたんびに、このチープなガチャガチャ感は見習いたい。いつまでも、それを演劇的な面白さだと開き直れる、素晴らしき確信犯でいて欲しいです。自分の同年齢当時を思うと、ずっと「大人」な彼らです。だからこそ!の気になる点を首脳部に話せたのは、関係者特権で初日打上げに加えて貰った嬉しさでした。

創立十年を超えた年輪と、根っからの持ち味が、今丁度いい具合かも知れない。折角、旬な公演なんで、ネタバレを避けますが、ドラマを重視しながら、都度々々に見せる至極演劇的な場面がとても愉快。クライマックスの試合なぞ、判り易く虚実が入り混じっていて秀逸。

小劇場の良心?千葉雅子丈の奮闘に拍手。田仁屋さんは、既に、若い劇団員よりも鹿殺しベテランという事実だからか、余裕な印象で、本役を演じる際も力が抜けてていいんじゃないの。裏事情を伺うと、現場では随分「頼れる兄貴」だそうだ。フン、花組では甘えん坊なクセに!嘘々、俺も充分頼りにしてますよ、トモディン!

ギリギリ滑り込みで拝見。ダブルキャストで、花組座員が出てない組を見るなんて初めてかも。80年代小劇場の同志、円城寺あや丈が、咲酒屋と同じ現場で頑張っている成果を、やはり確かめようと決心しました。

男版に比べ、入り口は同じテンションだが、最終的に飛び方が激しく、この戯曲の設定内容(架空な国を含め、荒唐無稽なドラマ)にはらしかったように思う。キャラクターが際立った配役だからかも知れない。男版の詩人が画家になっていたり、細かい相違が憎い。

千穐楽という事で男版メンバーがあちこちご馳走出演。リピート連が大喜び。プロデュース公演なのだが、現役劇団員を含め劇団経験者が大半だから、一体感が心地良い。男版千穐楽を経て、午後十時から打上げが予定されている。「(円城寺丈)今夜は帰れないわ」楽しい一夜をお過ごし下さいませ!栄作君、咲酒屋がお世話になりました。

二子玉川

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DVC00444.jpg継続的に人が溢れてます!初物好きな日本人は、最初(開店当初)盛り上がるのに直ぐ覚めるのがクセですが、今のニコタマ人気の続き様(4ヵ月)は、珍しいかも知れません。そんな象徴の一コマ。このオープンカフェ、ヨーロッパではありません(40年来の自分もこれは想像しなかった。ましてや鳴流屋は目をパチクリ)。戦時中は疎開地だった、かの二子玉川でございます。

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今年は3月が寒かったので、羽化が遅れているそうな。確かに数は少ないが、梅雨明けからこっち、「ニイニイゼミ」がジージーと夏を先駆けていた。多摩川沿いの平地なので、昔から「ヒグラシ」は滅多に聞けない。2種とも初夏から活躍するそうだ。ところへ、本日(25日)、7月から鳴き出すという「ミンミンゼミ」が只一匹、この近所で初鳴きをしてくれた。

この時期になると、茫々な雑草を駆除するのと合わせ、庭木を剪定するお宅が毎年見られる。雑草を取り払うと決まって、雀が一斉に飛来して何やら啄ばむのが常だったが、最近、雀がめっきり減った。これは世界的な現象のようだ。都市化で餌不足が要因らしい。天災と人災…。昨今、ジンサイの方がジンダイだね。

今、風鈴の音しか聞えない。

リタルダント/東宝芸能&キューブ

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パルコ劇場久し振り!アングラの末裔やってると、大人な劇場へ足を運ぶ機会を失うのか(笑)。タイトルの「だんだん遅く」という音楽用語は、伊予屋が度々お世話になっているNAO-TA!プロデュース「rit.」がまさにリタルダント。あちらは「人生焦らず行こうや!」だったが、こちらは「ゆっくり忘れて行く」…。

ポップなチラシに音楽劇とあったので、まさかこんなドラマとは!?「若年性アルツハイマーを患った働き盛りのパパを抱えた家族と関係者達」…。それが判ってから、私、客席でずっと怯えてました。だって、主役の吉田鋼太郎氏共々、まさにその年齢の男子ですもの!突き付けられたものが余りにナマ過ぎて、実は、感動的な終幕で涙々の観客達に囲まれていながら、幾分椅子に凍り付いてました。

幕切れ、思い出せなかった歌を、奇跡的に歌うパパの姿が美しい分、この後、本当に何もかも忘れ、ゆっくり肉体も滅びて行く現実を思うと、正直涙は出なかった。一茎の葦に過ぎないものが、「考える」からこそ人間である筈なのに、思考する機能が破壊されて行く。こんな恐ろしい物語がミュージカル形式で演出されている驚き!

鋼太郎氏の歌声を、舞台で初めて聞くかしら?終演後、楽屋で「歌は不問にしてよ」と照れる鋼太郎氏。いやいや役者の歌だからいいのですよ。パパ役が奇麗に歌い上げちゃ、リアリティがなくなります。

見た人分の見方が出来る作品。辛い浮世を再確認する舞台なのに、観劇後の個人それぞれの興奮が面白い公演、月末までやってますんで是非!

メール

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以前からフリーメールサービスを利用しているのだが、A社のは当初から不具合(迷惑メール報告を幾らしても、ふるいに掛けてくれない)の上、今年に入ってから何かと「エラーコード」なるものが出没するようになった。助言を得てB社も使うようになったのだが、こんなにも違っていいのか?というぐらい具合が良い!迷惑メールなど、一回目の読み込みで、既に、B社存知よりのアドレス(迷惑メール)は迷惑メールフォルダへ移動済み!もう少し様子見て、移行しようかな。

ここの所、べらぼうな芝居見物だが、あの現場は今どうなってるのだろう?見損なったあれの今を見たい!etc.という衝動に素直に動くとこうなります。本公演の準備もしながらだと、意外に忙しい。そんな間にも、いろいろ思う事多いね。

随分ねばって、あれこれ試みたが、やっぱり諦めて切り替える時期なんだね…。あ、メール。

五年前、季蛙屋がお世話になりました。ほとんど失念していたのだが、その折、日芸の先輩後輩という気安さからか「(斎藤栄作君)こんこんと説教されましたよ。こんなんじゃ駄目だって」ウシャ、ご免なさい。きっと酒が入っていたと思われ。あれ第一回目だったんだね。

芝居が始まって、え?レモンライブだよね?季蛙屋が出た「純粋人」と同じ作・演出とは思えない。レモンライブご常連の浅野雅博君(文学座)によると、毎回全く違うそうだ。単純な男女ダブルでなく、軸になるカップルの片方をそれぞれ取り巻くという構造は面白い。架空の国という設定でなくても良かったかな。出演者が達者揃いで、細かい芝居をするからそう思うのかしらん?毎公演全て「下北沢駅前劇場」という拘りもいいね。

「女バージョンも見てくれるんでしょうね!」円城寺戈に迫られた。はいはい、27日(水)までですよね。久し振りに咲酒屋と梯子した下北の宵でした。

「さくらホール」お初な劇場でした。エントランスや舞台裏、不思議な設計ですな。場内も、どうやらクラシック演奏用の音響設計らしく、残響時間が長い。

『冬物語』出口典雄氏演出で、随分以前に見たが、ドラマのどんでん返しは覚えていた。定番山崎氏演出が淀みない。今回、ドラマ重視なのか、机や椅子の移動は控えめ。総勢9名で国と国との恩讐を描くので、複数役を演じる着替えも笑いにしたり、その流れは変だろという原文への突っ込みも、手馴れた感じ。客席の年齢層に幅があるせいか、それぞれの世代での素直な反応が羨ましい。パトロンのお好みに応じて書かれた戯曲だからこその好都合主義と言わば言え、見終わった時のすっきり感は、正しい芝居見物の姿勢だと思う。

シェイクスピア作品、喜劇であろうが悲劇であろうが、必ず見目麗しい男女の若い俳優が一組が必需なんだね。伊沢磨紀チャン百面相でした。DVC00443.jpg同じ全シリーズ出演の戸谷昌弘君、常連幹部の佐藤誓君、それぞれが核を担っていて、半劇団方式の良さを改めて味わいました。

客席に居たご常連のお一人小須田康人氏と、もと曲屋と、渋谷の町で(なんだ、随分ボケてるな。酔っ払いだからか、いや、機能のせいとしておこう)。

けもの撃ち/椿組

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作・演出の竹重洋平君、波多屋に続き是屋がお世話になってます。ここ花園神社境内特設ステージも26年!長年培った椿組の世界と、今大注目の弾丸MAMAER、竹重君の世界が、緊張感を保って共存している。

偶然だが、この数日、男が生み出すザラッとした舞台を見ている。でね、みんな、実は繊細なの。いいなあ、野郎どもって。

原発事故のイメージがチラチラと。子に未来を託す、いや、託せない!という葛藤が幕切れに。この段取りは、初日前の深夜にうんうん唸って生れたと聞く。いいなあ、諦めないって。

野外なんで、舞台の向こうに明治通りの喧騒が嫌でも飛び込んで来る。演出家は、普通いじりたくなるんだが、見えるがまま、聞えるがまま、一切無視の舞台作り。そのせいか、しっかり大正時代を背景にした物語に対して自然と距離が出る。だって、拝見した夜なんか、煌々たるネオンの漫画喫茶店宣伝トラックが、山場にも関わらず信号待ち!この違和感から観客は寓意を感じ始める。これ、計算だよね?竹重君!あ、さっきの宴席で聞けば良かった。

DVC00442.jpg松本紀保さんご出演とあって、客席にいらした高麗屋ご夫妻に、ご挨拶申し上げる。この顔触れ!外波山氏の鋭敏なアンテナに、いつも関心させられる。

《画像》終演後、テント内にてお客様との打上げ(連夜行われてます。「これも芝居の一部」とは外波山氏の言葉)!御老屋さんもご臨席。面長コンビでした。追伸、野外劇のテンションって怖い怖い。今宵も、幾つか体張ったアクシデントが…。どうぞ、どうぞ、お怪我のないよう千穐楽をお迎え下さい。

荒野に立つ/阿佐ヶ谷スパイダース

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シアタートラムに入るなり、制作の伊藤君に「どう発展したか楽しみ!」。プレビュー初日を選んだのは、創作の現場に居なかったので、ほんの少しでもその作りかけを見たかったからなのだ。しかし、テクニカル面はいろいろあろうが、芝居の完成度は、客席のムードといい、大手を振っていい「初日」でした。

昨年の「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」以来、久し振りなアサスパ!早くも豊かな実りを見せてくれた。先ず圭史君の肩肘が随分ゆるんだ。だって「アンチクロックなんちゃら」の次作タイトルが「荒野に立つ」だよ。しかも出ちまうんだよ、自ら。この危うさが親近感に繋がるんだよね。きっとこれは自信の現れだと思う。

また、歪んだドラマに翻弄され、お手上げな登場人物の率直な愚痴や文句を、ちょっと下世話に言わせる事で、どれだけ客席が安心したか。そうそう、こっちも付いて行けないし、ほとほと閉口なのよ…。そんな妙な所でご見物と人物が同意する事で、驚く程、その「少し遠回りしているように見えるドラマ(うーむ、或る思いと言ってもいいかな)」に、没入し落涙する観客が多数。劇的なるものは、意外な所に潜んでいる。

外部の舞台を含め、圭史君がこの一年半積み上げて来た成果をたっぷり堪能しました。何か悔しいね。せめて言おう、俺はね、前回の挑戦に加わってたんだよ~ん!

おどくみ/新国立劇場

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平日(12日)の昼、ご年配の夫婦連れが多い客席。隣で「(前進座の)国太郎がね」と話をしているご見物が、これから青木豪氏の作品を見るのだ、と思うと愉快だった。

礼宮さまが学習院大に通っているという時代設定に、客席がウハウハと反応する。晴れてご婚姻なされた雅子さまが、その外交経験を生かし、動く大使館の役割を如何なく発揮し、子宝にも恵まれ、日本の更なる発展が期待されて芝居は終わる。が、その間に、戯曲に描かれる惣菜店「はたなか」は、家族崩壊を回避したようでいて、その実、ゆっくりと確実にバラバラになろうとしている。

平和の象徴である筈の鳩が、妻には殺したい対象になり、幕切れ、鳴き声はすれど姿が見えないという曖昧な「鳩」に、家長の父はのどかに「?」を繰り返す。

ノンフィクション作家佐野眞一氏が筋書で『人間は「物語」がなければ生きられない動物である』と述べている。天皇崩御が日本人にとって「大きな物語」の終焉だった、とも…。背景と筋を微妙にリンクさせながら、半自伝的内容だからこそなのか、頭で考えたリアリズムではない、だって私の家族は何故かこうだったのだもの!という不思議な説得力。感情の立ち上がりと納まりに理屈がないのがこの芝居の身上だとも感じた。丁寧そうでザクッとしてるのが心地良い。

4年前(もうそんなに経つか)に新国立劇場演劇研修所でシーンスタディを行った時、いろいろご意見を賜った樋田慶子さん(祖母役。「緋多景子」と名乗ってらした頃が懐かしい。新派の花柳章太郎氏のお弟子でした)、「眉かくしの霊」を演出した際、ご一緒した谷川昭一朗氏(次男役)、終演後、それぞれにご挨拶する。

演出の宮田慶子氏、いつお会いしても溌剌としてらっしゃるな。

タパスタパス用賀店

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FM世田谷『読んで候』の収録後に良く寄ります。本日(10日)は収録が早い時間(午後4時半に終了)だったので、ヘルプで参加してもらった坊屋と、レギュラー那河岸屋3人で、近所のスーパーで買い込んだアルコール(私が買ったのは「ラムネサワー98円」チープな味が特色で、一気に2本空けちゃった)で開店まで30分、野天飲みの後、一番乗りで伺う。

前菜・一品料理・ピッツァ・パスタ・リゾット、フルメニューを注文!泡~白~赤、結局ワインは一人一本な割合でした。

今回の『読んで候』は、真山青果「頼朝の死」を取り上げました。以前、国立劇場で「元禄忠臣蔵」通し?上演を企画した時、お客が来るのか?という声もあったが、結果連日の大入りで、真山青果ってやっぱり面白いんだ、と再評価した次第。この「頼朝の死」も新歌舞伎として、とても巧みに書かれた名作です。ほんの一部ですが、キャッチ出来る範囲にいらっしゃる皆様是非お聞き下さいませ(13日/水、午後9時過ぎ)。

サヨナラ/双数姉妹

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「(小池竹見)『ドラマ』に魅力を感じなくなった」長塚圭史君も、「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」の時、丸っきり同じ事を言っていた。そして、圭史君は物語をゴチャゴチャに破壊してしまい、小池君は、故意に会話を不成立させる方法を思い付いた。

『三猿(さんざる。見ざる=見えない、聞かざる=聞えない、言わざる=喋れない)』というトリオ漫才をオブラートにして、意思疎通出来ない現代人をカリカチュアして見せる。

私のお隣の婦女子は、この、言わば奇天烈な芝居にイライラし、溜め息連発。四六時中、チラシの束を仰ぎ、聞こえよがしに「暑い!暑い!」終演後の演出家挨拶が終わるや否や、飛ぶように客席を去りました。

一方(この派に私は属しますが)、3割即興でやり取りされる会話で、思いも寄らない言動をしてしまった自分に驚く役者たち、そのギリギリ感に爆笑する人達。

いや~、これ程温度差のある客席は久し振りだ。これは大成功なんじゃないかな。ここ連日飲み続けで、しんどかったのだが、終演後、小池君と大いに「演劇」を語ってしまいました。

姉妹たちの庭で/シアタークリエ

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原題は「MORNING’S AT SEVEN(朝は七時)」英語圏では良く知れた詩の一部だそうで、「すべてに世は事も無し」という、その詩の最終行から判るように、今まで通り平和だというタイトル。戯曲も、様々事件が起こりましたが、家族の悲喜交々は何ら変化はありませんでした、チャンチャン!という感じかしら?

板垣君も商業演劇ご常連になりました。兎にも角にも、このお顔触れ!四姉妹に、佐久間良子丈、浅丘ルリ子(旭日小綬章おめでとうございます)丈、江波杏子丈、安奈淳丈。渋き色男田村亮氏。淡々と怒り嘆き、そして口説く小林勝也氏。大きな体を巧みにフル稼働、渡辺哲氏。なんて愛らしい青年なんでしょう、岡本健一君。清楚で可愛らしい加藤貴子さん。大人の心遣いに溢れた現場だったのだろうと思うと、演出家として、何と羨ましいメンバーであることか!

1980年の再演(1939年初演の評判はかんばしく無かったらしい)で、初めて評価されたこの戯曲は「アメリカ屈指のコメディ」と言われたそうな。でも「実(じつ)」に満ちたお芝居をなさる、佐久間丈と浅丘丈だから、人と人との悲哀がにじみ出て、涙々の幕切れとなったのは、日本という土壌もあるのでしょう。

日芸の後輩、高橋いさを君(劇団ショーマ。「相棒」の川原君所属なのだが、ここの所、劇団公演お休み中)の仕事(作・演出)を久し振りに拝見。「WIT」は、いさを君と、サンモールスタジオプロデューサー佐山泰三氏と俳優IKKANさんの演劇ユニット。4回目だそうです。

今回の主演は、いしだ壱成君。紅一点の石川亜季さんのグラマラスなこと!IKKANさんは劇団テアトル・エコー所属なのだが、超多才なんだね。芝居の作・演出、お笑い芸人のプロデュース(鉄拳、桜塚やっくん)、声優、歌手、漫画家etc.演技のはっちゃけ振りも、緩急を心得ている。

作品は壱成君のキャラを生かし、ポップな「H」に溢れつつも、結末はブラックという、独特な世界。客席には、以前いさを君とお仕事なさった縁で、新橋耐子丈がいらっしゃった。伊予屋が共演させて頂いた時は、直接お話が出来なかったが、今宵はいさを君も含め、深夜まで痛飲しました。いやはや超楽しいお姉さまでした(爆)。

いさを君、30年前と変らないシャイな青年風なのだが、仕事を見ると随分頼もしくなったな~。

那須

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DVC00438.jpg昨年の花組ヌーベル『ハイ・ライフ』では、私のスケジュール(ザグレブ~スポレート~可児)が空かず見送った、那須お疲れ旅行(那河岸屋命名「チキチキ東北復興並びに節電の夏に暑い体をぶちのめせツアー!」)。雨雲をタイミング良く逃し、滞在中は快晴に恵まれました。

いつもおせわになっている宿、やはり利用者が減っているそうだ…。DVC00437.jpgお宿の番犬「みかん」チャン!血統書付きコーギーの純血種だそうです。お宿の方は「我がままでね…」と仰るが、とても人懐っこく、直ぐに腹を見せちゃう。でも、夜中は庭の犬小屋で随分警戒中な様子で、良く吠えてました。

稽古やら仕事やらで、この顔触れになりました。勿論掛け流しの温泉!毎回、伺って嬉しいのは、バラエティにとんだお食事。DVC00435.jpgしかし、無制限なお宿飲みに、ハタとツマミを用意し忘れた事に気付く。ええ~ッと地図で見ると、一番近いゴンビニが、あれ何キロ?酔った勢いというのは恐ろしい。「行けるよ!行こう!」と街灯も殆ど無い夜道を若人たちは出発。こっくりこっくりな待機組の中で、何故か目が冴えてしまった私は、血圧高めな酔っ払いにも関わらず一人湯船でぷっかりぷっかり。

片道30分の行程を無事に歩き切り、ごっそりツマミを抱え皆ご帰還。地上が真っ暗なので、道々天の川が見えたそうな。「寝ようっか」と誰となく言い出した時、時計は午前3時でしたかな。

翌朝8時に「頂きま~す!」炊飯器の白米を一粒残らず平らげた我々は、お宿ご推薦の「那須アルパカ牧場」へ。アルパカって白だけじゃないのね。真っ黒、真っ茶、ホルスタイン風、尻尾だけ茶、ペット美容で染めたんかい!?というお洒落柄etc.最近海外から専門家を招いて夏仕様に刈り上げたそうです。DVC00440.jpgそれが遊び心満載で、大概がレッグウォーマーのように膝下の毛がフサフサ、20センチ幅の首輪風に刈り残したり、確認出来たのでは、胴体に「パ」の字(おそらく「ア」「ル」「カ」も居ると思われ)、四つ葉のクローバー。実は温泉マークもあるらしい。

ミニチュアホースとダチョウも飼育されていた。鳴流屋が走ると追っかけようとするダチョウ君(勿論、柵があるので抱き付かれたりはしない)、仲間と思ったか、外敵と判断したか…。

7人乗りのエコ車を行き帰り6時間以上運転してくれた那河岸屋を慰労する為、レンタカー返却の後、波多屋がご勤務なさる、笹塚「とんかつ江戸家」へ押し掛けました。丸い串揚げ、コロッケ大の肉たっぷりシュウマイ、ズッキーニ大の海老フライ、ちゃんと火が通っているのに超柔らかなチキンカツ、脂身たっぷりなのにサラッとしたロースカツ、〆めはロースのお手製カツカレーライス。いつものコースをぺろりと頂戴し、「チキチキなんちゃらツアー」無事終了す。お疲れ様でした!

BLACK SWAN

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花組ヌーベルのネタにもなっていたが、その本体を見れずに居ました。

予告編も見たが、噂に聞く話以上に、主役の内面に突っ込んだドラマに、正直たじろいた。喜怒哀楽、感情が生れる以前の状態で、言わば凍りつい感じ。舞台芸術に従事している人間にとって、何と教訓的な内容だったか。要はね、ギリギリで居ろよって事だね。

映画のドラマはあくまでもフィクションだが、内容の説得力は生半可でない。チラッと使ったCGでさえ、タッチでばれても、これ見よがし!でない。芸術監督が、才能のある表現者をどう開花させるに苦労する(映画内では、主役を替える毎の通例=手管のようだが…)様子は、7割(「ニナ」役中心のドラマなので、役としては残り3割は悪なイメージ=女の敵だとして)共感する。いい舞台を生む為に、どれだけ彼は苦心惨憺しているか…。

ドラマが余りに主役の内面に肉薄した為、主演女優以外のオスカーを逃したのだろうが、それって「裏」方としては名誉じゃないかな。五十過ぎた私が、主人公のドラマに振り回されて、正直、映画を支えた、回りの仕事振りを見る間がありませんでした。

太平洋序曲/KAAT

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観劇中、ずっと興奮していた。35年前、ブロードウェイミュージカルが、TV放映された本邦初の番組(NET)、見てました!しかも、今は無き「ベータマックス」のビデオテープに録画して、何度見直した事か。そして、オリジナルキャスト版が発売されるや否や購入した現物。DVC00433.jpg画像をご覧あれ。マーカーのサイズでお判りと思うが、CDでなくアナログLPッス!これ貴重でしょ。

大幅カットでTV放映されたから、LPを聞いて見られなかった場面を想像してました。今宵、次々日本語で披露される歌曲が、どれだけ初演版に忠実な声音であるかが一「耳」瞭然。

初演は、立派なウインターガーデン劇場で大掛りな大道具を使った演出だった。黒船の登場が、歌舞伎で言う「居所替り」でね。後ろから書割風な大船が押し出されて、拍手喝采だった。オフブロードウェイでの小規模再演でも「ナレーター」を勤めたマコ岩松氏が、音吐朗々たる歌声で迫力がありました。歌舞伎考証の役目も負っていたハルキ・フジモト氏が勤めたペリー提督は、歌舞伎舞踊の獅子物よろしく、白頭の毛振りを見せていた。

あれやこれやが思い出だされて、一幕が終わると、自然、大きなそして嬉しい、ご馳走様!と言うべき溜息をついていた。最終曲「NEXT(LPには「そして今は」という邦題がついている)」、初演時は高度成長真っ盛り、日本人達が浮かれ踊っていたが、Next!Next!と文明に追い捲られた果てに味わっている、正に「今」を明確に示した幕切れ。本当に何時に無く力強く拍手をする自分に、正直驚いた。立場上、有職には意見があるが、こんなに好きなのに、誰も見向きをしなかった作品を、「今」に蘇らせてくれた亜門氏に感謝!

開演前に企画された、亜門氏によるプレトークも拝見。明晰な解説に加えて、やっぱり役者だね。大変勉強になりました、先輩ッ!

家には高い木があった/弘前劇場

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手法は都会的(例の今時な似非リアリズム風だし、国際交流しているので、仏語の字幕が付いたりするし)なのに、ずっと漂う民俗的な親近感。「おとぼけ」気質と言えばいいのかしらん?東京の演劇人なら、こういうドラマは絶対に「ササクレ感」満載なタッチに創るでしょう。でもそうしない、そうならないのは、矢張り「地のもの」だからかな?好きだな、こういう感じ。

登場人物全てに言外の人間関係があるらしいが、なかなか把握出来ない。こういう芝居は、客席の不用意なシワブキ、ちょっとしたガサコソで、台詞の単語が消え集中が半減する。心せよ、日本人!

一人東京人を演じた相澤君、「BASARA」では思いも寄らなかった、影のある静かなテンションを見せて貰いました。武蔵屋との合宿生活、実はお料理上手と聞きました。今度、仕事抜きで皆と合宿しませんか(笑)?

DVC00432.jpg花組関係者含め、初日の宴、再演で「中澤先生」を勤めた木場勝巳氏や、作・演出の長谷川孝治氏、初演以来の長男役福士賢治氏、珍しく年上の皆さんと酒を酌み交わせて楽しかった。店を出て、何とも怪しげな画像をオマケに…。水やん「それヤバイよ」桂「仕方ないんじゃない?」井上啓子さん「シーッ!」山藤貴子さん「ムフフ」。

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