2011年3月アーカイブ

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先日、事務所にチラシの束が送られて来た。花組ヌーベル「番町皿屋敷」。送り主は結城座さん。あ!公演中止になったか!?三島の近代能楽集に、結城座として初めて挑戦すると聞き、楽しみにしていた…。

が、様々な努力が実り、25日(金)から順延公演(~31日)が実現した。夜半の天候が怪しい浅草(アサヒ・アートスクエア)へ出向いた。

糸操りの人形遣いが自分の台詞を言うという形式が、三島の言葉に説得力を与えた。糸操りだと、歩行と浮遊の切り替えが自由、床に放り出す事で、一瞬にして只の物になる、女形も立役も遣うという伝統が、人形遣いの台詞に、或る様式と人物表現への客観性が生れる。これが上手く作用して、装飾的でしかも無機質な三島の言葉がとても伸びやかに舞台に響いた。これは演出の松本修氏も立ち稽古初日で感じたらしい。

そういう成果を目の当りにすると、俳優としては、生身の表現でこれと同じ効果を出すにはどうすればいいのか…。俄然、近代能楽集に挑戦したくなった。単純に悔しくて燃えた!

座長の結城孫三郎氏は、こんな状況だからこそ、途中で諦めては只の職業演劇人になってしまう、是が非でも幕を明けるッ!という気合で取り組んだと仰っていた。この思いは我々を含め業界の人間すべて同様です!

復刻版「芸十夜」

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こういう状況だからではなく、以前から準備期間としていたスケジュールの中、とんでもない本を読んだ。

昭和47年に出版されたもの等を底本として、昨秋復刻された。八代目坂東三津五郎と武智鉄二の対談という形で、私の知らない「芸」の極意が惜し気もなく論ぜられる内容。能も文楽も歌舞伎も、1970年代、既に本物の芸が消えたという話だ。その頃から見始めて、あれが基準になっている私はどうしたら良いのでしょう、という思いで読み進んだ。

「(文楽で)音(おん)と節は違う。今は音を節だと思っている大夫が居る」の発言。最近見聞きしたのだが、文楽関係者が「音、つまり節です」え?私が良かったと聞く名人達の師匠達、更に辿る江戸時代、三代目三津五郎の芸を知る人達の発言も含めた、想像を超えた、もう訳の判らない「芸」の世界。

「犬も猿も芸はしますが、何百年苦労した人間の芸とは別です」若き八代目三津五郎の踊りを見て、親父七代目は「お客は褒めるだろうが、あたしは決まりが悪いね」深過ぎッ!こんなレベルの話が一頁毎に飛び出すんだから、正直読んでて目が回った。ただ、極意とは、こんな時に明かされ、あんな時に会得するんだという回路から憶測する、そのとてつもない底深さだけを知った。

こんな時だからこそ、心を豊かにしよう!と決意した。

悲願!

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ニコタマ(当時、そんな呼び名は無かった)再開発の噂を聞いたのは何年前だったか。その間、反対運動も起きた。行き付けの店の立ち退き問題も見聞きした。ああだ、こうだ、という、プラスマイナスのデマも飛んだ。でも、ようやくその全貌の大半が披露された。

『二子玉川ライズ・ショッピングセンター』3月15日にプレイベント初日が予定され、17日がグランドオープンの筈だった。しかし、天が何にヘソを曲げたのか、11日の大地震・・・。その向い風を被りながらも、本日(19日)、「東急」が地元(創業本家が直ぐ近く)での大仕事を成しました。

日本が立ち向かうべき今の情勢を考慮して、開店~閉店時間など当初の予定通りでないにしろ、そして、こんな時期にも関わらず、久し振りにニコタマが大賑わいした。40年以上君臨し、世田谷区のセレブ化を最初に推進した玉川高島屋との住み分けを考えに考えた内容を、2時間掛けて一巡りさせて貰いました。

遊園地で儲けていた往時の隆盛を知る地元民として、素直に嬉しかった。個々諸々今後どう定着するかは、それぞれ課題であろうが、単純にパワーを感じた。各店舗の関係者のお客様も多く、業界的な会話する彼らの声を聞いて、ジャンルは違えど、少なからずその興奮を共有し心強かった。我々も挫けず元気にッ!

納豆が消えた!

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食料品店4軒回ったが、無かった…。牛乳も消えたらしいが、飲まなくなって久しいので気にも掛けなかったが、毎朝食っていたものが手に入らないのは、多少痛いか。勿論、被災地の方々を思えば、贅沢言ってんじゃねえ!だ。一時騒ぎになった買占め連は、少なくとも見て回ったどの店でも見掛けなかった。

地震よりは津波、津波よりは放射能、そして円高は、武力行使の採択は…。幸い地震酔いはないが、何か地に足が着かない。それでも、次の舞台の事を考えると気が晴れるのが幸い。

二子玉駅前で、17日にオープンする予定だったショッピングセンター、災害の影響で延期していたが、いよいよ明日(19日)開店するという。週末だし混雑するかも知れないし、今まで人込み嫌いで百貨店をウロウロするなんて!(デパート好きの咲酒屋の気が知れない(笑)。)なんだが、景気付けに覗いてみようか。

「景気付け」確かに、千年に一度の災害に襲われた日本は世にも不幸な状態だが、少しは明るい方向へ目を向ける必要もあるように思う。上向きな思いが未来の力になる!そう思いたい。そう祈りたい。早く、「悪『夢』」だったと思えるようになりたい。明日は春らしい気候になるそうだ。本当の春を忘れない為に、「春」を精一杯感じて置こう。

音楽の時間/リリパットアーミーⅡ

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有り難い(≒有り得ない)という感謝の気持ちを、日本人は「ありがとう」と言う。この数日、この気持ちを大切にしなければと思う。阪神大震災経験者が大半の演劇公演が、下北沢で休演せずに幕を明けている。

開国に伴い、お付き合いの始まる欧米に倣おうと「『国歌』を作詞作曲する」というモチーフでもって、日本人のナショナリズムの裏表を見せるという、結果的タイムリーになってしまった作品。題材は遠いにせよ近いにせよ、過去の事柄(国歌誕生秘話~オリンピック等での国歌演奏。君が代に対する是非を含む)を扱っていながら、ここ数日、日本国の存亡さえもを揺るがすかも知れない?時期に、この国土に居る我々が、助け合いという個々の気持ちも含め、民族の為に一体化するという重要性を思う(俺だけかしら…)舞台だった。「不屈の日本」という、大震災報道に関する海外メディアの日本人評価を、改めて思い出した。

ただ原発事故に関しては、科学文明に頼った挙句に人類が味わう因果を実感する。「驕れる者は久しからずや…」『疎開』という単語が妙に現実感を帯びて来た…。

英国王のスピーチ

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これ程、公に出来ない苦悩ってあるかしら?「転職は出来ませんか?」「無理です」…。ローグ氏の根気が無ければ、英国は滅びたかも知れない事実を思えば、DVC00318.jpgこのドラマの説得力は凄いし、30年粘った企画実現(英王室の了解)はそれこそ驚異だし、それをサラッとしつつ重さを保った脚本と演出に、俺、涙、涙、泣き過ぎです。作品賞取っちゃったんで映画館が満杯でね。いろいろ手間掛けてチケットゲットし、タップリ見ました。

今、ER以来、内緒ですが、声優として大きな作品に関わっている射留屋を誘ってみました。流石、今時のハリウッドスターを知らない僕に、あれはね、と教えてくれました。

追伸、坂上二郎氏の訃報を聞きました。昭和の感性が確実に消えて行きます…。

「演劇」そのものなのに、「演劇」に対しての批評性に溢れた名作だね。初演時(テアトルエコー)、客席はぎゅうぎゅうで大爆笑だったのに、思想がねえ!とお玄人には酷評されたらしい。でも今や演劇界の中枢で上演されています。DVC00317.jpg喜劇人でも漫画家でも、年齢重ねて偉くなると、芝居が渋くなったり、テーマが説教臭くなったり…。井上さんの姿勢は首尾一貫、宗旨替えをしなかった。

今回完全新曲の作曲と生ピアノ演奏、そして重要なポイントでの芝居を担当した小曽根氏の存在は大きいと思う。演出の栗山氏は、波多屋や咲酒屋がお世話になり、ご夫人の中川安奈さんとガチンコ共演(「剃刀」夫婦役でした)しているのに、ご一緒した事ないのですが、改めて硬軟を弁えたお仕事に感服する限りです。

画像は初日拝見の花組連の宴席に合流叶いました咲酒屋さんでございます。

追伸!

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昨夜収録した番組は、エフエム世田谷83.4MHzにて、9日(水)午後9時から放送されます。電波が届く範囲の方は是非お聞き下さい。

FM世田谷

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久し振りに担当しました。僕のシリーズの中で少し異色な題材を選びました。明治維新以来、多くの演劇人が試行錯誤した様々でも、DVC00316.jpg今回の題材は現在、過小評価されていますが、実は日本と西欧とを直に繋げようと苦心惨憺した最初なんです。しかし、その後の演劇界を見ると、その仕事は、要は超えられない限界を探った記録でしかないのか、演劇人の誰もが無視します。

今回読んでみて、その微妙な表現と単語の選択と、改めて洋の東西はやはり大きな壁なんだな~。てか、演劇の世界で「芸」を有せず「文字」を手掛かりとする表現で、洋の東西を「共通」する事は究極あり得ないかもね…。とマイナスな言い方ばかりですが、その無理な所を究極追及した成果では、確かにあります。闘った苦労は如実です。
共に一仕事終えて乾杯な那河岸屋です。

映画「ギルバート・グレイプ」

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見た!稽古開始前に、演出G2氏と最初に面談した際、見る必要があるか問うと「いや、見ないで下さい」。彼は映画ではなく原作小説に感動して、この仕事に取り組んだとの事。で、生真面目に封印していた。

公演も終ろうとしている頃、「そろそろ見ようかな?」「(G2氏)もう解禁ですよ」。とは言うものの、既に僕の頭の中は、次の公演(花組ヌーベル「番町皿屋敷」、花組芝居本公演「聖ひばり御殿」)の事で一杯。改めて見る気が起こらないでいたが、期せずしてDVDが手に入ったので、これも縁だとじっくり拝見。

ふ~ん…。映画ファン(特にジョニーさんや、レオナルドさんのファンの皆様)には悪いが、先日の舞台作品の方が、原作の緊張感がダイレクトに表現されているように思う。でも映画の出演者達は何れも魅力的だ。しかし最近作「ツーリスト」のジョニーさんを見ると、随分年を重ねているのですね。2010年の製作だから、17年相経ち候か…。

ご存知波多屋がお手伝いに入っているお店です。久し振りに、今宵は座外からも、マネージャーさんやらプロデューサーさんも招いてとんかつ三昧!お手製マヨネーズを掛けたサラダ、串かつ(串が刺さっていません、玉ねぎと豚が抱き合って揚がってます)、カキフライ、海老フライ(巨大!)、シューマイ(肉の塊!)、チキンかつ、ロースかつ、そして〆はカツカレーライス(ちゃんと辛い)。新鮮な100%ラード(色が悪くなると、その日の内でも惜し気もなく捨てちゃう!)で揚げてあるせいか、油たっぷりなのに口当たりは至極サッパリ!

DVC00314.jpg仕事を終えた波多屋を囲んだ二軒目は、笹塚駅前「ゆうやけこやけ」。実は飲みメンバーに劇団新派の井上恭太君が居ました。波乃久里子姉さまのお弟子さんで、有望なる新派若手男優の一人です。寿ひずるさんと同じ事務所という事で「ギルバート・グレイプ」を見に来てくれたのですが、実は、僕の奥様ベティを演じた伊藤裕子嬢とはご学友だったそうです。二枚目でしょ!右隣は田仁屋、何か二人似てない?鳴流屋は終電があるんで先にご帰宅なさいました。

ちょっと捻ったヤクザコメディ。芸達者達が、お客を無視したような顔をして、客席の空気読みまくり、声と身体の緩急を最小限に制限しつつも最大限の効果を放つ、まさに技合戦を見せて頂いた。小気味が良すぎて悔しいね。伊東四朗氏はじめ、このお顔触れだと、いつもの「本多劇場」らしからぬご見物揃いのようで、微妙なムードの相違が面白い。B作さん、お元気で何より!演出のG2氏を囲み、それぞれの友人達と楽しく飲めました。

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