さよなら渓谷/演劇企画集団THE・ガジラ

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ごく小さい空間(SPACE雑遊)でやりたかったという事で、わざと大きな宣伝をしなかったらしい。出演していた阿佐スパの伊達っちが「この公演、どうやって知りました?」あれ?そう言えば手元のチラシを何処で入手したのか、覚えていない…。

不用意に止まったり、割り込んだり、走ったり、効果音の使い方など、昔のATG映画を見ているような舞台だった。吉田修一氏が、秋田の女児突き落とし事件やラグビー部集団強姦事件をモチーフに「不幸になる為に愛し合う」という究極の男女を描いた小説を、鐘下氏が場所も出演者(5人だけ)も削りに削った舞台に仕上げた。狭い客席に飛び散る本水が、実は、物語を客観視させる冷水になっているように感じた。

つくづく「伊達暁」という俳優は年齢不詳だ。