マイ・フェア・レディ

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20090422193342.jpg歌と演技に充実の主役陣、歌唱力重視のアンサンブル、いいんだけどなあ…。『翻訳劇』しかも、「英語」文化の根幹に関る内容。「コクニー訛り」~「キングスイングリッシュ」。この違いを主題とする内容なんで、翻訳面で根本的な無理がある中、随分健闘していると思う。同時に、映画版、そしてジュリー・アンドリュース含め初演版のレコードを散々聞いて来た身としては、音曲と言語がどれ程密接かを思い知る。「エイ」を「アイ」と発音してしまう訛り(イギリス系のオーストラリア人もその傾向があるらしい)。「day=デイ」が「ダイ」になる。つまり「スペインの雨は主に広野に降る」は、「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリ・イン・ザ・プライン」を「ザ・レイン・イン・スペイン・ステイズ・メインリ・イン・ザ・プレイン」と直す歌なのです。日本語版で「広野に降る」を「イロノにウル」としていたのは、コクニー訛りが「H」を落とす癖を踏襲してますが…。初演版のドゥーリトル親父を演じたスタンレー・ハロウェイの歌は、超コクニー訛りで先ず英語に聞えない。でも、年月を掛けて、4時間弱の芝居を3時間ちょいに縮めた功績は素晴らしい。「放浪記」も、潤色・演出の三木のり平氏が、5時間を3時間に縮めたそうな。終演後、石井氏流れで、浅丘ルリ子さん主演「蜘蛛の巣」の稽古を拝見。ベテラン揃いの現場が羨ましい。写真はその後入ったドイツビアレストラン「ゲルマニア」。連日生演奏のドイツ音楽で、日本で数組しかない、カウベルの形をした、ドイツ版ハンドベル!