再見!福岡!/座長 

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通例の地方公演と規模も期間も同じくらいだったのに、印象としてはとても濃密な3ステージでした。

先ずは昭和11年に完成した「能楽殿」というシチュエーション!「怪誕身毒丸」で訪れた20年前と違うのは、建物内で電気がまかなえるようになった事。当時は電源車を手配して、照明や音響を機能させていました。その他は、本当にそのままでした。あ、楽屋のトイレが壊れていたので、本番前に見所のトイレを使ってましたが、今は、男女に分かれたゆったりスペースの最新型トイレが完備されてます。

そして目玉でもある生演奏!鳴物=住田長祐(ちょうゆう)さん→録音は望月太意三郎(たいさぶろう)さん、同じく鳴物=橘内幹(きつないもと)さん、笛=福原百貴(ひゃくたか)さん、唄=杵屋佐喜さん、三味線=杵屋佐助さん、そして音楽監督も兼ねた三味線の杵屋邦寿(くにとし)さん。役者の身体に合わせて、「おやす(盛り上げる)」「かすめる(遠慮する)」が自在で、ご見物と共に何もかも「ライブ」でした。

そしてもう一つ、能舞台で橋懸りへの登退場は、歌舞伎の横開きと違う正に「揚幕(切り幕、お幕)」なのですが、上げ下げする為には両端に括り付けた2本の竹を使います。つまり、歌舞伎と違い開閉の人員が2名必要なのです。その為、急遽、一昨年の北九州芸術劇場リーディングセッションの折、「橋場の仁助」を演じた椎木樹人君にお手伝いを願いました(見所から見える側に、紋付袴姿で幕を扱っていました)。

初日ソワレには、同じ折に真弓を演じたヒガシユキコさん、そして権次を演じた金子浩一さんもいらして下さり、初日乾杯の飲み会は大いに盛り上がりました。